昨年大会覇者の渋野日向子(22=サントリー)が、今季最高発進だ。

3バーディーで3アンダー、68。3打差4位スタートは、今季日米通算11戦目でベスト。右足裏の痛みの影響で同かかとの靴擦れに苦しんだが、微妙なパーパットを要所で決める粘り強さを発揮した。11月8日TOTOジャパンクラシック以来となる今季2度目のノーボギーとなった。

渋野が「ハラハラドキドキ」と表現したパーパットは、少なくとも4度あった。前半12番の2メートル。ガードバンカーからピン上についた18番の2・5メートル。2番でアプローチがショートしての3メートル。3番の2メートル。それを全部沈めた。「ノーボギーはすごく良かったです。シビアな距離を外さなかった」。

右足が痛かった。高低差のきついコースで時折、足を引きずった。筋膜炎の疑いがある足の裏ではなく、靴擦れだ。「今日は足の裏は痛くなかったんです。ずっと履いてる靴です。でも、足の裏をかばって、歩き方やスイングが変わってきてるからかもしれません」。それでも、粘れた。序盤11番パー5でイーグルトライから痛恨の“3パット・パー”を喫しても、心は乱れなかったという。「今までみたいに腹が立たなかった。自分をコントロールできていた。そこは昨年とか、今年の最初と違ったところです」。今季日米両ツアー10戦で苦労した経験を生かし、成長を感じている。

同組のメンバーにも力をもらった。2戦連続優勝へ首位発進した古江は、昨季最終戦LPGAツアー選手権リコーカップ最終日以来だ。「奮い立たせてくれた。すごい。すべてにおいて完璧。アイアンの精度なんて、歯が立たない」。もう1人は同じ黄金世代の大里。3人で談笑しながら、緊張感も保てた。

「古江ちゃんと、大親友の大里桃子。自分をコントロールできたのは、う~ん…メンバーかな。そこが1番かもしれません。みんなで盛り上がることができた。自分以外に、かなり目を向けることができました。ギャラリーさんがいないので、1人だけワーワー言うとっても浮くし」と笑いながら説明した。

日米を通じて、今季最高の4位スタートだ。ただ、安心はしていない。「まだまだ(調子がいい)とは思えない。今年は2日目が悪いので」。日米10戦でアンダーパーを出した第2ラウンドは、9月の米ツアー・ポートランドクラシック、11月のTOTOジャパンクラシックだけだ。「予選通過したい気持ちが強すぎたせいだと思う。先週(国内で初めて予選を)通ったので、変わってくれば」。復調をより確かなものにするためにも、20日の第2日が正念場になる。