【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)25日=千歳香奈子通信員】米男子ゴルフで歴代最多82勝を挙げているタイガー・ウッズ(45=米国)が足に重傷を負った、ロサンゼルス郊外での自動車単独事故について、ロサンゼルス郡の保安局は刑事告発しない見通しとなった。アレックス・ビラヌエバ保安官は会見で「これは事故であって、犯罪ではない」と語った。薬物やアルコールによる影響は、なかったとの見解を示した。

スーパースターの大事故を受けて、ウッズを心配する人や声は一夜明けても後を絶たなかった。芸能情報サイトTMZは、入院中の病院に見舞いに訪れた恋人のエリカ・ハーマンさんの写真を掲載。ジーンズにマスク姿でウッズのキャディーを伴い、手には差し入れ用として、飲み物が入ったカップと食べ物が入っていると思われる茶色の紙袋を抱えていた。ウッズとハーマンさんは17年から交際。19年の5度目のマスターズ優勝の際には、その存在の大きさが伝えられていた。

米ツアーの戦友、ロリー・マキロイ(英国)は「彼はスーパーマンじゃない。生きていることを喜ぶべきだ」と語り、ジョン・ラーム(スペイン)は「再びコースで姿を見られなくてもいい」と、競技は二の次として回復を願った。ゴルフの聖地と呼ばれる、英国の名門コース「セント・アンドリュース」では従業員がウッズの回復を祈り、イニシャルの「TW」と「思いと祈りが届きますように」とのメッセージを刻んだ、巨大な砂絵を制作。ドローンの空撮動画がSNSで拡散されるなど、ウッズの存在感と世界規模の人気が、あらためて証明された。