女子ゴルフで国内ツアー通算18勝の大山志保(44=大和ハウス工業)が26日、負傷から約半年ぶりの復帰戦となるリゾートトラスト・レディース(27日~30日、愛知・セントクリークGC)の前日会見に出席し、時折、涙も見せながら復帰までの思いを語った。

大山は20年11月の大王製紙エリエール・レディース後に左鎖骨付近に痛みを感じ、同年の残り大会を欠場。今年に入ってもなかなか痛みが引かず、復帰に時間を要していた。検査の結果、上腕付近に負担がかかることによって肩や腕などにしびれや痛みの出る胸郭出口症候群と診断され、治療を開始。一時は「お茶わんを持つのもすごく重くて。ゴルフどころではなかった」と苦しんだが、必死のリハビリなどで再び力を取り戻し、今回の出場へと至った。

3月にはバンカーでの練習中に足元をとられて右足首を捻挫するなど、苦難は多かった。この半年間を振り返る中で会見中には涙もみせ「2、3月は苦しい時期があって、友達とか周りの方にたくさん支えてもらいました。メールをくれた選手もいてすごく励みになったし、今までは気持ちだけでここまで突っ走ってきたような感じだったので。私には気持ちしかない。戻ってこれてよかった」と思いを語った。

約2週間前にも左鎖骨が「眠れないくらいうずいた」といい、右足首の状態もまだ気になっている段階だという。復帰後に1ラウンドを回るのは25日が初めてで、飛距離も「1クラブぐらい落ちた」。それでもシード権の確保などを見据え、早期復帰を決断。「QT覚悟で、やれるだけやるという気持ちしかない」と気合を口にした。

リハビリ中は松山英樹のマスターズ優勝や国内女子で若手が活躍する姿に刺激を受けた。大山は「まだまだやりたいという気持ちもあります。目標もありますし、引退というのはないです。1日でも早く復帰したいという気持ちで今回はここに来ました」。実戦で感覚をつかみながら、完全復活を目指していく。【松尾幸之介】