王者食いで悲願の頂点へ。東京女子プロレスの上原わかな(27)が、6日後楽園大会でHIMAWARIと組み、プリンセスタッグのベルトに初挑戦する。アイドル時代にプロレスに魅了され、女優、タレントを続けながらも22年秋に東京女子への参戦を決意。「今が1番幸せで楽しい」と最高の状態で初タイトルを狙う。

バラエティーでは、大食いタレントとして活躍中。「できることなら24時間食べ続けていたい」と語るほど「食」が大好きだ。それでもドラマや舞台の仕事にプロレスが加わったことで、体形維持や時間確保のために、食事の時間を削らざるを得なくなり、今は1日1食の時もあるという。アイドル時代はスタイルを維持するため、セーブするのに苦労したが「プロレスラーになってから、トレーニングでビックリするほどの筋肉が付いた」と、腕をまくり上げ、カチカチの力こぶを見せて笑った。体重も10キロ近く増え、筋肉と脂肪もつけながらグラビアを意識した身体作りをしているという。

22年10月の東京女子運営もとのCyberFightのプロジェクト「夢プロレス」に参戦し、1位となったことで魅力に引き込まれた。「アイドルの時はメンバーがいっぱいいるけど、主人公になれないというか…。大勢の中の1人のイメージだったけど、プロレスラーはそれぞれが主人公」。主役になる心地よさを感じ、その後の舞台では「自信が付いた」と、恥ずかしさもなくなり、明るく元気に大きな声で演じている自分がいた。

プロレスと芸能活動が相乗効果を生み、成長を実感していくにつれ、ベルトへの意識が高まった。昨秋の23年デビュー6選手による「ねくじぇねトーナメント」で優勝。「初めてメダルをもらって、これがベルトだったらいいなあと」。そんな中、今年4月13日の大会で、中島翔子、HIMAWARIと組んで6人タッグに出場。相手はプリプリ王者渡辺未詩と、タッグ王者の鈴芽・遠藤有栖だった。「カードを見たときから、もし勝ったら挑戦表明したいと思っていた」。対戦後にプロレスラーになるきっかけとなったあこがれの中島が、目の前で渡辺に挑戦表明。「後押ししてくれた」と自身も続いて表明し、タイトルマッチが決まった。

デビュー1年半足らずでの挑戦に「まだ早い」という声もあるが「後輩も入ってきたし、いつまでも一番下ではいられない」。夢プロレス時から練習をともにし、背中を追いかけてきた2人が相手。「成長した姿を見てほしい。ねくじぇねで戦った選手の気持ちも背負って臨みたい」と闘志をみなぎらせた。「全盛期は常に今」。心身ともに成長著しい“大食いプロレスラー”が、王者を食いつぶし、頂点に立つ。【松熊洋介】

◆上原わかな(うえはら・わかな) 1996年(平8)5月13日、神奈川県生まれ。14年、スカウトから芸能活動を始める。18年「99999」(クインテックス)メンバーとしてアイドルデビュー。その後、バラエティーやドラマで活躍し、ユーチューブちゃんねるも開設。22年11月に東京女子参戦を発表。得意技は高速ブレーンバスターなど。趣味はジグソーパズル、ゲームなど。出演したいテレビ番組は相席食堂、サスケ。163センチ、AB型。

東京女子プロレス 4月13日の大会でプリンセス・タッグ王座に挑戦表明した上原わかな(東京女子プロレス提供)
東京女子プロレス 4月13日の大会でプリンセス・タッグ王座に挑戦表明した上原わかな(東京女子プロレス提供)
5月6日後楽園大会でプリンセスタッグのベルトに挑戦する上原わかな(撮影・松熊洋介)
5月6日後楽園大会でプリンセスタッグのベルトに挑戦する上原わかな(撮影・松熊洋介)
5月6日後楽園大会でプリンセスタッグのベルトに挑戦する上原わかな(撮影・松熊洋介)
5月6日後楽園大会でプリンセスタッグのベルトに挑戦する上原わかな(撮影・松熊洋介)
5月6日後楽園大会でのプリンセスタッグ王座選手権への意気込みを語った上原わかな(撮影・松熊洋介)
5月6日後楽園大会でのプリンセスタッグ王座選手権への意気込みを語った上原わかな(撮影・松熊洋介)
5月6日後楽園大会でプリンセスタッグのベルトに挑戦する上原わかな(撮影・松熊洋介)
5月6日後楽園大会でプリンセスタッグのベルトに挑戦する上原わかな(撮影・松熊洋介)