約半年ぶりの復帰となったツアー通算18勝の大山志保(44=大和ハウス工業)は6バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの71、通算イーブンパーでホールアウトした。同時点で26位となっている。

復帰後の初実戦で予選通過を果たし、4日間を戦いきった。大山は「本当に最高です。今日は3パットが3回、ダブルボギーもあって、なかなかうまくいかないなと悔しい気持ちの方が出てきてしまったんですけど、最後ポンポンとバーディーがきて、本当に上出来だと思います」と振り返った。

20年11月の大王製紙エリエール・レディース後に左鎖骨付近に痛みを感じ、以降の全大会を欠場。上腕付近に負担がかかることによって肩や腕などにしびれや痛みの出る胸郭出口症候群と診断された。3月には復帰へ向けた練習中に右足首を捻挫。今大会の開幕前会見では「つらい時期もあった。周りの方にたくさん支えてもらいました」と涙も見せながら思いを語っていた。

2週間前にも左腕に痛みを感じるなど決して万全ではなかった。大会中は「今までそんなに長い時間やることはなかった」と毎日80分のマッサージを受け、体には湿布を6枚貼るなど体調管理に努めた。患部が悪化することはなかったが、久々の72ホールに「足に筋肉痛が出ました」と苦笑い。それでも「若い選手もかなり足にきてると聞いたりしたので、みんな状況は同じかなと思います」と前向きに話した。

今後は6月開催予定の4試合への出場を決めており、徐々に状態を仕上げていく。今大会では大会会場へつながる道路脇にファンによる「心で打て!! 大山志保」と書かれた横断幕も掲示された。周囲の思いもしっかりと感じており、「(横断幕は)20年くらい応援してくださっている方。本当にありがたいです。無観客開催ですけど、みなさんがいるような気持ちで回れた」と感謝も口にした。ファンに勇姿を見せられる日も心待ちに、完全復活を目指していく。【松尾幸之介】