プロゴルファーの石川遼(30=CASIO)が、米国から帰国後の新型コロナウイルス感染防止対策の自主隔離期間中に違反行動をとった問題で24日、ツアー競技・カシオワールドオープン(25日開幕)会場の高知・Kochi黒潮CCで謝罪会見を行った。

石川は濃紺のスーツ姿、頭髪を後ろで束ねて会見場に姿を見せ、冒頭で「感染予防に尽力してくださっている方々、応援してくださっているファン、日本ゴルフツアー機構の皆さまに大変ご迷惑をかけ、申し訳ございません」と謝罪した。会見は約40分続いた。

今回、コーチと食事をともにしたことなどについて、東京オリンピック終了後まであった強化指定選手としての特別措置が五輪後も継続されていると解釈していたことを「大きな勘違い」「甘え」などと説明。

また食事、ラウンドにゴルフ場関係者1人が同席、同伴したことについては「してはいけないことという認識はあった。“ルール違反なので、同席はできません”と言えなかった」と甘い考えがあったことを認めた。

またツアー仲間や、選手会理事などへの思いを聞かれると、自身が欠場した三井住友VISA太平洋マスターズ直前に選手会としての対応などを時松隆光選手会長に委ねてしまったことを思い、涙を浮かべ「会長名でのおわびを出したり、大事な試合を前に大変な思いをさせてしまった。そこが一番申し訳ないです」と声を詰まらせた

また11月8日の問題発覚から2週間後のタイミングで会見を開いたことに「時間がたつにつれ、自覚が甘いかもしれませんが、自分の口から直接説明、謝罪をした方がいい」と思い至ったと説明した。

石川は米ツアー予選会から10月24日に帰国後、隔離期間中に一般客の利用するゴルフ場、練習場を使用したことが発覚。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の選手会副会長、同理事を辞任し、JGTOから制裁として、今季残り試合の出場停止処分を受けている。【加藤裕一】

◆アスリート用東京オリパラ準備トラック(通称アスリートトラック) コロナ禍で厳しい入国制限が行われている中、東京五輪・パラリンピックに向け、昨年11月から一部対象者の入国を条件付で認めていた特例制度。日本国内で開催される国際大会に出場する日本人及び外国人選手やスタッフ、五輪の強化指定選手が対象だった。必要な防疫措置を講じた上での入国を認め、入国後14日間の自主待機期間中でも、試合出場などの活動を可能とした。行動範囲も制限され、誓約書や活動計画書の事前提出などが求められた。ただ、緊急事態宣言下では原則、運用停止だった。ゴルフ以外にも、多くのスポーツ選手に適用された。

 

11月8日写真週刊誌電子版報道で発覚/石川遼これまでの経緯―>

石川遼「大変自覚に欠けたと深く反省」/謝罪会見 一問一答1―>

石川遼「自分の都合のいいようにとらえてしまい」/謝罪会見 一問一答2―>

石川遼「本当に自分はバカ」「来年は日本で」/謝罪会見 一問一答3―>

石川遼「水際対策がルーティン化してしまった」/謝罪会見 一問一答4―>