国内女子ゴルフツアーの今季開幕戦、ダイキン・オーキッド・レディースは西郷真央が初優勝。勝利のポイントをツアー7勝の佐伯三貴氏(37)が解説する。

ジャンボ尾崎将司「西郷どん優勝おめでとう。早めの2勝目期待」まな弟子西郷真央ツアー初Vに>>

まさかの展開になりましたが、西郷さんの初優勝には驚きはありません。単独首位で迎えた最終18番は、第2打を直接カップを狙えないグリーン横のバンカーに入れて、初優勝の壁かとも思いましたが、冷静な判断でしっかりパーを取った。12番でボギーをたたいたあとの13番でもすぐにバーディーを取り返したように、精神力の強さが勝利につながったと思います。

昨季は、2位が7回と優勝にあと一歩で届かないことが多かった。しかし、内容をみてみると、自分から崩れた試合はほとんどなく、たまたま優勝した相手が秀でている選手だったと思います。昨季はショットは良かったけど、ここぞというところのアプローチに難があったけど、今年は全体的にいいゴルフをしていました。最終日も16番の8メートルのバーディーパットで優勝に近づき、17番は勢いで連続バーディーを取って単独首位に浮上しました。

彼女の持ち味は、歯切れの良いゴルフと、心技体がそろっているところ。他の選手に優勝をさらわれながら「次は私」と努力を重ねてきたことがようやく実ったと思います。初優勝のこの1勝は大きい。琉球GCのコースで、この風の中最終日に5アンダーというのは本当にすばらしい内容だったと思います。本人の自信にもなったと思うし、早い段階で2勝目、3勝目を挙げれば賞金女王も十分にねらえます。

大会全体で見ると、佐藤心結さんがいいプレーを見せてくれたし、若手から中堅、ベテランまでいい選手がそろってとても楽しみだと思いました。賞金女王の稲見さんも、まだしっくりきていない部分がたくさんある中で、基本的なレベルが高いと思わせてくれました。万全じゃない中で、上位でしっかり優勝争いに顔を出しているので、今年も楽しみだと思います。昨年のこの大会優勝の小祝は、新しいコーチについて新たな球筋を試している中で、右肩上がりに調子を上げていました。今年も多くの楽しみな選手がいる女子ツアーに注目していただきたいと思います。