前週の今季開幕戦ダイキン・オーキッド・レディースで、ツアー初優勝を果たした西郷真央(20=島津製作所)は、1打及ばず2位に終わり、史上初の開幕から2戦連続優勝はならなかった。首位と1打差の2位から出て、4バーディー、1ボギーの69で回り、通算12アンダー、204。3つ伸ばしたが、65と最終ラウンドだけで7つ伸ばしたサイ・ペイイン(台湾)が、13アンダーで優勝した。12アンダーの2位は計4人で、他に石井理緒、堀琴音、植竹希望が並んだ。

2番パー3で、ティーショットを2・5メートルにつけてバーディーを先行させた。同じ最終組で、首位から出た植竹希望が2ホール連続パーの間に、早々と追いついた。4番で植竹が最初のバーディーを奪って再び2位に後退したが、第2打を2メートルにつけて伸ばした6番パー4で再び首位タイ。2つ伸ばして1打差の10アンダーに迫っていた堀琴音を含め、最終組3人の伸ばし合いの展開に突入していた。

そんな矢先の8番パー4で、第2打をグリーン奥にこぼし、アプローチも急な下りを警戒して2メートルまでしか寄せられなかった。すると、その2メートルのパーパットが、グリーン上で跳ねて軌道が変わり、カップに蹴られた。結果的に、1打及ばず優勝を逃しただけに、痛恨のボギーが最後まで響いた。「思ったところには打てたけど、跳ねてしまって。ちょっと悔しいなと…」と振り返った。

後半も何度かグリーン上でボールが跳ねる場面があったという。決まればサイとのプレーオフという最終18番パー4、5メートルのバーディーパットも、跳ねた結果、カップに届かなかった。「ミスパットしているわけではないので、そこは仕方ない」と言い聞かせた。ただ「10番のセカンド(ショット)で、小さいディボットに入った。ほんのちょっとのツキが、ちょっとずつずれてしまっているなと感じていました」とも話した。9番パー4でバウンスバックし、単独首位で折り返したが、流れが来ているという実感を、最後まで持てなかった。

今大会優勝なら、90年の西田智慧子、05年の表純子に次いで、17年ぶり3人目となる、ツアー初優勝から2戦連続優勝という快挙でもあった(17年に畑岡奈紗が、プロ初優勝から2連勝を果たしているが、アマチュア時代の16年にすでに1勝)。「なかなかバーディーがこなかったので、スコアが思うように伸びなかった。前半からティーショットは探り探りで、アイアンショットも少し迷いながら振っていた部分もあった。そこが気持ち良くプレーできなかった1つ(の要因)でもあるのかなと思います」と振り返った。

プロ1シーズン目だった昨季の7度に次いで、通算8度目の2位となった。「ショットに関しては、悪いながらではあったけど、まずまずのショットは打てていた。前で回っている方の勢いは、こっちは止められない部分。自分が伸ばせなかったことが反省点」と、冷静に話した。不運を嘆くよりも、さらに力をつけることを誓っていた。