金田久美子(33=スタンレー電気)が4バーディー、ノーボギーの68、首位と3打差の6位と好スタートを切った。「元祖天才少女」の自称「ギャルファー」もプロ転向14年目の33歳。17年にシード喪失、若手台頭の波にあらがい、11年ぶりのツアー2勝目となる国内メジャー初タイトルに挑む。 最終18番パー4は距離400ヤードだが、グリーンまで極端な打ち上げの第2打が残る。フェアウエーから残り200ヤード。金田は3番ウッドを握った。 「5番ウッドのフルショットでも届くと思ったけど、3番で雰囲気出して打ったら…」。手前エッジに届き、手前に転がり落ちかけて止まった。20メートルをパターで寄せ、難関ホールをパーでしのぎ、4アンダーで初日を終えた。 ちなみに、練習ラウンドでも3番ウッド。後ろを回っていた勝みなみに聞き「8番アイアンですよ」と言われてショックだった。

世界ジュニアに8歳で勝ち、アマチュアでの国内ツアー出場53戦は歴代3位。ベストアマも15回獲得した。そんな「天才少女」も34歳になった。世代交代にのみ込まれ、17年にシード落ち。勤続疲労で腰痛などが慢性化。それでも、戦う。トレーニングは昨季まで「飛距離アップ」が目的だったが、今年から体力維持に主眼に置く。連日、腰にはりを打ってもらい、コンディションを整える。「シーズン中は練習、試合でいっぱいいっぱいだったけど、今年は必ず月曜日にトレーニングを入れるようにした」。

かつては「ギャルファー」と称し、背中を大きく開いていたり、肩が大胆に露出したウエアを着用したが、今は違う。「“着たい!”と思っても、1回考えるようになった。前は“ピンク、ピンク”とか“ピンク、黄色”とかあったけど、やめました」。この日は白ベース、落ち着いたオトナっぽさを感じさせるウエアで勝負した。 最終18番のグリーンまで、急勾配を上がってくる途中で、大きく前屈、腰をぐーっと伸ばした。後ろ向きになって、バックでゆっくり上がってきた。 会見場に姿を見せても、まだ息が荒い。「あ~、もう18番は…」とこぼし「先週の初日、ドライバーがすっごく曲がって。練習でアホみたいに打って、腰が痛くなっちゃって…」と嘆くが、気分はいい。 「今日は運の良さもあった。2、3メートルのパーパットも入ったし、本当にいいプレーです。残り3日、体力勝負と思うけど…」。 オトナのゴルフ、ファッションだが、頭はしっかり金髪。大舞台で11年ぶりのツアー優勝を狙って粘り抜くつもりだ。