2歳の娘を育てながら昨年11月のプロテストに合格した異色のルーキー、神谷和奏(わかな、22=ソニーネットワークコミュニケーションズコネクト)が、プロデビュー戦で首位と4打差の19位と上々のスタートを切った。3バーディー、1ダブルボギーの71で1アンダー。第2ラウンド終了で50位タイの予選通過、初の賞金獲得という目標へ大きく前進した。上田桃子と佐久間朱莉が、5アンダーで並んで首位に立った。

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誰も歩んだことのない大きな1歩を踏み出した。88年のツアー制施行後では初めて、出産後にプロテストに合格した神谷和が、後半に3つ伸ばしてアンダーパーでプロデビュー初日を終えた。スタート前をはじめ、随所でキャディーを務めるコーチで夫の幸宏氏(36)と談笑。雰囲気にのまれないよう努めた。19歳だった21年に「ニコニコでいられるように」と2月5日に結婚した2人は、満面の笑みでホールアウト。「苦しい部分はあったけど楽しかった」と、堂々と話した。

前半の11番パー4でダブルボギー先行の苦しい展開だった。グリーン左のバンカーからの第3打が“ホームラン”。雨で砂が硬くなっていた。グリーンを越えて反対のラフに入れ、4オン2パット。それでも「動揺はなかった。絶対にバーディーチャンスは来る」。自らに言い聞かせた通り、後半は1、2番で連続バーディー。5番パー4は、残り127ヤードからの第2打を1メートルにつけて伸ばした。

この日のプレーを幸宏さんは「80点」と合格点をつけたが、神谷和は「70点」と厳しく自己採点した。その裏には「もっとできた」という、手応えがあった。初の賞金を手にする予選通過も現実味。賞金を手にすれば長女の咲凜(えみり)ちゃんにプレゼントを贈るつもりだ。【高田文太】