西郷真央(23=島津製作所)が、米ツアー挑戦2年目で待望の初優勝をメジャー大会で飾った。3バーディー、5ボギーの74、通算7アンダーの281。優勝が絶望的な状況から最終18番で起死回生のバーディーを奪い、突入した5人によるプレーオフ(PO)も奇跡的な展開で制した。日本女子によるメジャー優勝は史上5人目の快挙。日本勢が唯一未勝利だった今大会を制し、メジャー全5大会制覇した。

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“シェブロンの奇跡”と呼ぶにふさわしい、西郷の実力と幸運だった。普段はあまり感情を見せない23歳は、泣いていた。

「夢にまで見たメジャーのタイトル獲得を(米ツアー)初優勝で実現させることができて、本当にうれしい」

外せば終戦となる正規の18番パー5。3メートルのスライスラインを読み切り、土壇場のバーディーパットでPOに持ち込んだ。

「ラッキーなことに、バーディーを取れば、POに進めるって状況まで来ていた。POに行くぞっていう強い気持ちが、自分の中で今週一番納得のいくストロークができ、この優勝につながった」

首位で出ながら5ボギーもたたき、後半15番を終えた時点で絶望的な首位と2打差4位。首位アリヤ(タイ)が最後にボギーをたたき、2位の2人もスコアを伸ばせず、1打差で迎えた18番だった。

5人によるPO1ホール目で決着をつけたのも、この18番。キム・ヒョージュ(韓国)や殷若寧(中国)、アリヤのメジャー優勝経験者3人と西郷がバーディーチャンスにつけた。ことごとく外した実力者に対し、西郷だけが気難しいグリーンに勝った。

「もう最後はバーディーパットがほんと手が、全身震えながらストロークしてて、今でもその感覚が残っている。本当にあきらめずにやってきて、よかったなっていう思いです」

平均飛距離は約260ヤードと平凡だが、フェアウエーキープ率は前日が100%、この日が約93%。正確で強いショットを武器に、ピンをめがけて強気に攻め続けた。

主戦場を米国に移した昨年は、全米女子プロ選手権7位など、10位以内は7度で新人賞を獲得。目標の優勝に届かなかった悔しさは、練習量で補い、運を呼び込めるほど成長し、2年目を迎えていた。

優勝者による恒例の池へのダイブも行い、「まだメジャーは4つ残っている。世界ランキングも1位を目指したい」と宣言した。ツアー初優勝がメジャーだったのは渋野、笹生に続く3人目。日本勢で唯一メジャーで未勝利だった今大会を西郷が制し、新たな時代が幕を開けた。