復活の地、復活の大会で“スマイルシンデレラ”復活を目指す。主戦場とする女子ゴルフの米ツアーで、今季苦戦続きの渋野日向子(26=サントリー)が、10日開幕のスタンレー・レディースホンダで、7カ月ぶり今季2度目の国内ツアーに出場。8日は会場の静岡・東名CCで、インコース9ホールの連勝ラウンドなどを行った。同じく不振が続いていた21年、約2年ぶりの復活優勝を飾ったのが今大会。4年ぶりの出場で当時を思い出し、心からの笑顔を取り戻すと誓った。
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雄大な富士山を見て心が躍った。「ウオーッ! こんなに見えるんだ」。14番パー4のフェアウエーを歩いてた渋野が、振り返って思わず息をのんだ。実は直前まで、日本一大きな存在に気付いていなかった。撮影していた3人の報道陣に「何でここで撮ってるんですか?」とたずねていた。会場は静岡・裾野市。4年前に歓喜した思い出のコース。思い詰め、視野が狭くなっていた証明だった。
この日の練習ラウンド最後となった18番に来ると、記憶がよみがえってきた。「4年前の最終日に3回ぐらい回ったので」。正規の18番と4人によるプレーオフの2ラウンド。前日7日はアウトコース9ホールを回った。復活優勝を飾った18番に4年ぶりに立ち、感じた思いを素直に語った。
「どうしても向こう(米ツアー)では試合中、笑顔が少なくなってしまう。自分でも分かっている。でも日本に帰ってくると戻る。練習ラウンドも、すごく笑顔が多い中でできた。それを試合でも見せられたら。昔の自分を思い出して取り戻していけたらいいな」。
今季は不振で、来季の出場権を得られる年間100位までから漏れ、現在は104位。今季出場できる米ツアーは1カ月後の1試合しかなく自ら「崖っぷち」と言った。シードを持たない選手に向けた最終予選会のエントリーは済ませた。
不振は「試合になると硬くなる」と精神面が原因。それがこの日は「これで人生が終わるわけじゃない」と話し、笑った。吹っ切れた。「勝った試合はすごく思い入れがある。上位で戦いたい」。米ツアー生き残りをかけた戦いを見据え、何よりも笑顔と自信を取り戻すため、渋野が臨戦態勢を整えた。【高田文太】
渋野の今季の苦闘
◆予選落ち 今季は米ツアー22戦に出場し、予選落ちは過半数の12戦。8月のCPKC女子オープンは、第1ラウンドを70で21位発進も、第2ラウンドで76と崩れ、105位に急降下。この試合から現在まで、今季2度目の4戦連続予選落ちを喫し、シード圏外へ。
◆メジャー 5大会全てに出場し、全米女子オープンは7位。これがメジャー以外の試合も含め、今季唯一のトップ10入り。シェブロン選手権は44位も、残る全米女子プロ選手権、エビアン選手権、自身も歴代女王に名を連ねるAIG全英女子オープンは予選落ち。
◆涙 前週のロッテ選手権は1打及ばず、予選落ちが決まると大粒の涙を流した。来季出場権を確保できるポイントランキング100位以内が苦しくなった。

