<米女子ゴルフ:ホンダLPGAタイランド>◇初日◇16日◇タイ・サイアムCC(6477ヤード、パー72)

 宮里藍(26=サントリー)が、今季初戦で最高のスタートを切った。好調なアイアンショットでバーディーチャンスを量産。5バーディー、ノーボギーの5アンダー67の単独首位に立った。10年にはこの大会の優勝をきっかけに、シーズン5勝を挙げた。今季の目標に掲げる、米女子ツアー年間最優秀選手とメジャー初勝利へ向け、ゲンのいい一戦での勝利で弾みをつける。

 単独首位に立つバーディーにも、まゆひとつ動かさなかった。16番パー3。宮里藍はグリーン手前から、12ヤードのアプローチを直接カップにねじ込んだ。「アプローチ含め、アイアンの距離感がよかった。自分のペースでプレーできて、良い雰囲気だった。目の前の仕事をこなすことができましたね」。2年前、18番パー5でチップインを決めて優勝した場面を思わせる1打にも、軽く手を挙げて歓声に応えただけだった。

 ピンを狙うショットの距離感、方向性ともに完璧だった。9番パー4の第2打は、特に練習を重ねてきた5番アイアン。グリーン右からの傾斜をうまく使い、ピン奥80センチにピタリと寄せた。12番パー3では、目の前でクリーマーがホールインワンを決めたが全く動じず。こちらも重点的に練習してきた6番アイアンで、ハーフショット気味に距離を合わせて4メートルにつけ、バーディーを挙げた。

 アイアンの精度アップにこだわったオフの取り組みが、早くも実を結んだ。テレビ出演などで多忙を極めた昨オフに比べ、今回のオフはほとんどの時間を家族と過ごし、うまくリフレッシュもできた。「今日を迎えるまで、どう転ぶか分からないと思っていたけど、うまく乗り越えて自分のペースでやれた。残り3日あるので、これからが勝負です」と手応えを強調した。

 昨年は東日本大震災が心に影を落としたこともあり、7月のエビアン・マスターズまで勝利することができなかった。今季はスタートダッシュを決め、5勝を挙げた10年のように勝利を重ね、プレーで復興目指す東北を鼓舞する。