世界6位の錦織圭(26=日清食品)が、初戦を無難に突破した。予選勝者で同107位のエルベール(フランス)に、第2セットは競ったが、6-2、7-6のストレート勝ち。3回戦では、同29位のドルゴポロフ(ウクライナ)と対戦する。

 予想以上にてこずった。相手の変化とスピードのあるサーブに手を焼き、第2セットは2-5とリードを奪われた。しかし、地力の差は明らか。「相手の動きが良くなかった。左右に振ろうと思った」と、一気に巻き返し、タイブレークでもぎ取った。

 先週、米インディアンウェルズのマスターズ大会で、8度目の出場で初のベスト8。苦手を少し克服した。今大会は、同じ米国のマスターズ大会で同じハードコートでも、先週と戦う環境や状況は大きく違う。コートは先週に比べ弾まず、湿気も多く風も吹く。わずか1週間弱で、その違いに適応しなくてはならない。

 そのためか、課題のサーブで苦しんだ。第2セットの第3ゲームで、2本のダブルフォールトを犯し、初めて自分のサービスゲームを落とした。「ダブルフォールトは出る時は出てしまう」。しかもこの日は第2サーブにコースや球種の変化がなく、そこを相手につけ込まれた。

 次戦は過去3戦全勝のドルゴポロフが相手。まだ1セットも落としていないが、サーブが不調だけに警戒が必要だ。「トリッキーな選手なので一筋縄ではいかない」。しっかりと気を引き締め直して臨む。