4年連続8度目出場の富士通が、16-3でオービックに勝ち、2年ぶり2度目の社会人王座に就いた。MVPは富士通のQBコービー・キャメロン(26=米ルイジアナ工科大)が獲得した。

 富士通は来年1月3日の日本選手権「ライスボウル」(東京ドーム)で、18日の「甲子園ボウル(関学大-早大)」で決まる学生王者と対戦する。

 【第1クオーター】

 富士通のレシーブで試合開始。RB金がキックオフリターンし、富士通は自陣22ヤードから最初の攻撃権を得た。QBキャメロンからWR岩松へのパスでファーストダウンを獲得すると、WR中村へのパスで、敵陣37ヤードまで攻め込んだ。

 さらに自身のランなどでゴール前10ヤードへ迫ったが、その後反則で15ヤード罰退。しかし、富士通はキャメロンのキープランなどでゴール前7ヤードへ。すると、5分26秒、K西村の24ヤードFGが決まり、3点を先制した。

 オービックの攻撃は自陣25ヤードから。QBニューハイゼルのパスは富士通LBニクソンにカットされてしまうが、次のWR萩山へのパスでファーストダウンを獲得した。しかし、その後の攻撃は続かない。

 代わった富士通の攻撃も自陣25ヤードから。RBゴードンのランで5ヤード前進した。するとキャメロンはWR中村へのパスでファーストダウンを獲得した。富士通が勢いに乗りかけたが、ここでオービックLB塚田がQBサック。その後の攻撃を抑えた。

 オービックの攻撃は自陣20ヤードから。ニューハイゼルからWR池井へのパスで5ヤード進んだ。さらにRB望月のランで4ヤード前進したところで、第1Qが終了した。

 【第2クオーター】

 オービックはRB望月のランでファーストダウンを獲得した。しかし、イリーガルフォーメーションの反則で5ヤード罰退してしまう。QBニューハイゼルはWR前田へのパスで前進するも、次のパスは不成功。さらに富士通LB竹内にサックされてしまう。

 富士通の自陣37ヤードから攻撃に代わり、ゴードンが連続で走り、ファーストダウンを獲得した。さらに中村へのパスでファーストダウンを続けて獲得。しかし、ここでキャメロンがオービックDLジャクソンにQBサックを食らい、大きくロスしてしまう。ところが、ここでキャメロンが26ヤードのスクランブルラン。ファーストダウンを獲得した。たまらずオービックは1回目のタイムアウトを要求した。

 ゴールまで15ヤードに迫った富士通。しかし、ゴードンの連続ランでの前進はわずか3ヤード。さらにオービックDB砂川にパスカットされてしまう。第4ダウンとなり、富士通は5分45秒、K西村が28ヤードFGを成功させ、リードを6点に広げた。

 オービックはWR木下が自陣25ヤードまでパントリターン。ニューハイゼルのスクランブルランの後、RB望月のランでファーストダウンを獲得した。さらに富士通のホールディングの反則で自陣48ヤードへ進んでのファーストダウン攻撃。4ヤード進んだが、次のランプレーでRB中西がファンブルリカバーされてしまう。

 富士通の攻撃に代わり、ゴールまで17ヤードに迫る。すると、ここでオービックにパーソナルファウル。ハーフディスタンス下がってゴールまでは10ヤードに。しかし、ここで富士通はキャメロン、RB高口がロスタックルされてしまう。しかし、11分22秒、富士通はK西村が29ヤードFGを成功させ、リードを9点とした。

 【第3クオーター】

 オービックWR木下のリターンで試合再開。自陣26ヤードからの攻撃は、QB菅原から木下へのパスでファーストダウンを獲得した。その後、第4ダウンとなったが、パントブロックで跳ね返ったボールをオービックDLビーティー・ジュニアが拾って、敵陣37ヤードまで進んだ。

 続くプレーで富士通がパーソナルファウル。さらなるRB望月のランなどでゴール前1ヤードに迫る。しかし、中央突破は富士通LBニクソンに阻まれてしまう。そして、ディレー・オブ・ゲームの反則後、6分31秒、オービックK星野が19ヤードのFGを決めた。これでオービックは3-9とした。

 富士通はゴードンのラン、QBキャメロンから宜本慎平へのパスでファーストダウンを獲得した。さらにゴードンのラン、キャメロンからWR強へのパスで、連続ファーストダウンを獲得。敵陣深く攻め込んだ。

 慌てたオービックは、またもやパーソナルファウル。富士通はゴールまで13ヤード地点から攻撃で、キャメロンから中村へのパスで4ヤードに迫ると、最後は11分21秒、RBゴードンがエンドゾーン中央にTDランを決めた。続くK西村のキックも決まり、富士通は16-3とリードを広げた。

 何とか流れをつかみたいオービックはWR木下が自陣31ヤードまでリターンした。QB菅原のパスは、2度失敗したが、次のプレーでファーストダウンを獲得した。ここでRB望月が走ったところで第3Qを終えた。

 【第4クオーター】

 開始直後、オービックはQB菅原が富士通LB鈴木にサックされてしまう。ここで、パントでこぼれたボールをオービックDB砂川が抑えたが、キック側のインターフェアランスとなり、富士通が優位な位置で攻撃権を獲得した。そして、敵陣に入るが、その後、ファーストダウン獲得には至らない。

 代わってオービックの攻撃。自陣18ヤードから菅原のパスはあわやインターセプトされそうになる。さらにパスを試みるが、攻撃権は続かない。対する富士通の攻撃はランプレー中心。しかし、ファーストダウン獲得はできない。

 残り試合時間は6分11秒。自陣12ヤードからの攻撃となったオービックは、RB望月が13ヤード走って、ファーストダウンを獲得した。さらに、菅原からWR西村へのパスでファーストダウンを獲得。ここでオービックは勝負をかける。QB菅原からパスを受けたWR前田が、RB原へパスを狙ったスペシャルプレーを見せるが、不成功。その後の攻撃も続かなかった。

 残り5分5秒で富士通は自陣42ヤードから攻撃権を得ると、ランプレーで時計を進める。しかし、ゴードンの中央突破では、ファーストダウン獲得には至らない。

 残りは3分6秒。オービックは自陣27ヤードからの攻撃で菅原が連続パス。敵陣40ヤードまで進んだ。続くWR萩山へのパスに富士通がパスインターフェアランスの反則を犯したかに見えたが、ノーファウルの判定。続く菅原のパスは連続失敗となったが、第4ダウンギャンブルでWR池井へのパスが決まり、ファーストダウンを獲得した。さらに池井へのパスで連続ファーストダウンを獲得するが、ここで菅原が富士通DL岩熊にQBサックされてしまう。

 残りは1分44秒。菅原のパスがDB善元にインターセプトされる。富士通の攻撃に代わり、残りは1分35秒。富士通はゴードンのランプレーで時計を進めると、最後はビクトリーフォーメーション。JXBでは4度目の対戦で、初めてオービックから勝利を飾った。