女子の世界116位の奈良くるみ(25=安藤証券)が、トップ10選手から初勝利で4年ぶり2度目の3回戦に進出した。09年全仏覇者で同8位のクズネツォワ(ロシア)に6-3、3-6、6-3で勝った。第2日の1回戦では大坂なおみが同6位のケルバー(ドイツ)に勝っており、4大大会で日本女子がトップ10の2人を破るのは、96年ウィンブルドンの杉山愛、伊達公子以来21年ぶりだ。
はち切れんばかりに、奈良の小柄な体が躍動した。コート上を、ゴムまりが跳ねるかのように、身長155・5センチの体で立ち向かった。3セットとも先にブレークを許したが、必死に球を拾い、高低や緩急の変化で相手のリズムを乱した。9度目の挑戦でトップ10選手からの初勝利。「テニス人生最高の勝利。めちゃめちゃうれしい」と、両手を突き上げた。
今季は、決して好調ではない。クズネツォワとは過去0勝3敗。しかし、頭の中には「今までで一番いい試合」と振り返る、14年のワシントンでの大会の決勝でフルセットの接戦を演じた時のイメージがあった。「バックに高い球を打ってペースを遅く」「チャンスがあれば前に」など最後までゲームプランはぶれなかった。
14年にリオデジャネイロの大会でツアー初優勝し、自身最高の世界ランク32位まで浮上した。だが、同年を頂点に、成績は徐々に下降線を描いた。ケガもあった。昨年の全仏前には精神的につらくなり、数週間の休養を挟んだ。辞めることも頭をよぎったという。それでも「今は、負けるのは悔しいが、頑張れている手応えはある」と、気持ちは前向きに変わった。
世界ランクは100位以下に落ちてもトップ10に勝てる力を証明できた。「今のテニスができれば、まだチャンスはある」。今大会で、生涯獲得賞金も200万ドル(約2億2000万円)を突破した。山あり谷ありのテニス人生が、再び山に向けて動きだした。【吉松忠弘】
◆WOWOW放送予定 2日午前7時55分から。3日午前0時から。ともにWOWOWライブ。生中継。男女シングルス3回戦ほか。


