学生最後の試合で有終の美を飾った。13年グランドスラム(GS)東京大会銅メダルの出口クリスタ(21=山梨学院大)が決勝で竹内鈴(東海大)を下し、2連覇を果たした。

 試合開始3分45秒、得意の大外刈りで技ありを奪って優勢勝ちを収めた。出口はカナダ代表として初の国際大会となるGSアブダビ(26~28日)に出場するため、全日本学生体重別団体(28~29日、兵庫・尼崎市)には出場せず、今大会が大学最後の試合となった。「今日は大学の道着を着る最後の試合だったので、肩の力を抜いて出来た。楽しんで後悔のない試合をしようという気持ちでした」と笑顔で振り返った。

 12月のGS東京にも出場し、17年世界選手権銀メダルの芳田司らと対戦する可能性もある。「同じ年代の司の方が経験値はあるけど負けない。追いついて、追い越したい」と闘志を燃やした。

 カナダ人の父と日本人の母を持つ。数年間悩んだが、今年1月にカナダ代表として20年東京五輪を目指すことを決意。日本よりも代表入りの可能性が高いカナダ国籍を選択し、全日本柔道連盟(全柔連)にも強化指定辞退届を提出済み。来春の卒業後には実業団の日本生命に進み、山梨学院大を拠点に国際大会に出場する。同大の山部監督は出口について「チームを背中や結果で引っ張ってくれて感謝しています。さらに成長すると思うし、日本代表の良きライバルとなると思いますが、今後の活躍が楽しみです」とエールを送った。

 容姿端麗だが夢は東京五輪で金メダル。もし、モデルの仕事依頼があったとしても「断ります!!」と柔道一本で夢を追うことを力強く宣言した。