ママさんセーラーが、日本初開催のW杯で、15年11月のW杯ファイナル以来の表彰台だ。

 女子470級で、6月に長男ルイ君を出産して初のレースとなった北京、ロンドン、リオ五輪代表の吉田愛(36)が吉岡美帆(27=ともにベネッセ)とのペアで銀メダルを獲得した。ママさんセーラーとして初の表彰台に、吉田は「陸に上がって子どもの顔を見るとほっとする。うれしい」と、表彰式ではルイ君を抱えて銀メダルを授与された。

 16年8月のリオデジャネイロ五輪を最後に、吉田は「東京を狙うためにも、まずは子どもがほしかった」と産休に入った。今年の9月に、吉岡との練習を再開し、今回のレースが復帰戦だった。常に、五輪でのメダルが期待されながら、北京、ロンドンともに14位。リオでは吉岡とのコンビで5位入賞を果たしたが「あの時点では、あれが実力だった」。五輪が終わる度に「結果を残せなった自分が続けていいものか」と競技続行を悩んだ。しかし、「ヨットが好き。ただ、家族、スポンサーの理解があって、初めて続けて来られた」。

 海外のセーラーでは多いが、日本のトップ・セーラーで、ママさん選手はまれだという。「陸と海でのメリハリが付くようになった」。母は強しと、東京では悲願のメダル獲得を狙う。