日大山形の山本翔太(3年)は、敗戦後も晴れ晴れとした表情だった。

 父は同校OBで82年大会優勝メンバーの健一さん。「お父さんと一緒の大会に出場できて良かった。お父さんの前でいいプレーを見せられた」。アウトサイドシュートを軸に、19得点を挙げた。自身より15センチ以上も高い相手の外国人留学生のマークも担った。大会前に父から「留学生を倒すつもりでやらないと勝てないぞ」と言われた。対処法も授かった。「パワーでは勝てない。重心を低くし、少しでもゴールの後ろに立て」。教え通りにゴール下で奮闘した。第3クオーター(Q)では、シュートを留学生にブロックされて自身もはじき飛ばされた。交代したが、間もなく復帰。3点シュートを3本沈め、第4Qの反撃につなげた。

 父と同じ優勝、15年ぶりの8強も消えたが「11年ぶりの出場で、楽しむだけだった」。全力を出し切った。