新潟工(新潟)の4大会連続の初戦突破はならなかった。長崎南山(長崎)に5-29で逆転負けした。前半18分にモールを押し込み、フランカー熊野司(3年)が先制トライ。だが、前半22分に1トライ1ゴールで勝ち越されると、後半は3トライを許すなど圧倒された。2勝を挙げた昨年の再現はならなかったが、平均体重84・3キロと昨年より軽量化したFW陣が意地を見せ、1トライを挙げた。
執念だった。前半18分、新潟工が奪った先制トライは伝統のモールからだ。ゴール前で密集をつくると一気に押し込む。混戦からフランカー熊野が右中間に飛び込んだ。「狙い通り。みんなのおかげで奪えたトライ」。FW8人だけでなく、周辺のBKもモールに参加して押した。長崎南山のFWは平均体重89・3キロ。新潟工よりも5キロ重い。「全員で押す、取ろうという気持ちが出ていた。見事なトライ」。樋口猛監督(46)は手放しで褒めた。
奮闘はここまでだった。前半22分、逆にモールを押され、正面にトライを決められた。風下に回った後半はスクラム、モールで起点をつくられ、そこから相手BKに走られた。「正直、力の差があった」(樋口監督)。その中で奪った先制トライは、新潟工のプライドを見せた1本だった。
昨年は平均体重89・5キロのFWを武器に、県勢39大会ぶりの花園2勝で3回戦に進出した。今年、軽量化をカバーするには練習しかなかった。11月の県大会で優勝後、FW陣は基本に立ち返った。「軽い分、走る。モールもスクラムも、とにかくまっすぐ押す。それを練習で繰り返した」と熊野。いい形で押せた感触を確認し、だめだったときはその場で話して修正。素早く、そして足を止めずに走ることも徹底した。
大会直前の合宿で選手全員で話し合った。力を出し切ることと、後輩たちに何かを残すことを今大会のテーマに設定した。SO五十嵐拓星(ひろとし)主将(3年)は言う。「全力で60分間戦う。それを残せた」。1トライは来年への懸け橋になる。【斎藤慎一郎】


