平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)銅メダリストでLS北見の藤沢五月(26)とSC軽井沢クの山口剛史(33)の日本協会推薦ペアが、連勝発進した。1次リーグ初戦でオリオン機械に8-1、第2戦は船木・工藤ペアを14-1で圧倒した。藤沢は、初戦は封印していたハーフタイムでの「もぐもぐ」を、第2戦で解禁。右手にりんご、左手にいちごの“二刀流”で観客を喜ばせた。大会は4月の世界選手権(スウェーデン)代表選考会を兼ねる。

 第2戦の第4エンド終了後のハーフタイム。左手にいちごを持った藤沢に、相手チームの船木が歩み寄り、青森県産のりんごを手渡した。初戦で封印した「もぐもぐタイム」のスタートだ。交互に口にする姿はまさに“二刀流”。平昌五輪の再現以上の「もぐもぐ」サービス。ペアを組む山口も負けじとりんごを丸ごと頬張り、ファンの期待にしっかり応えてみせた。

 ハーフタイムでエネルギーチャージすると、14-1で圧勝し2連勝を決めた。藤沢は「ショットの精度も初戦で確認した分、上がった。コミュニケーションが大事とあらためて知った」と納得した。

 五輪メダル獲得から約2週間。大会前は5日間しか練習できなかった即席ペアだが、オリオン機械との初戦は3-1で迎えた第4エンドから4連続でスチール(不利な先攻で得点)するなど終始、圧倒した。続く第2戦も第4エンドで5点を奪うなどし、14-1で貫禄勝ちした。山口は藤沢について「試合前の準備段階では細かいのに自分のショットを投げる時は良い意味で大ざっぱ。やっぱり天才ですね」と絶賛した。

 例年は数十人の観客がいるだけだったが、今大会は有料だったにもかかわらず、各日のチケットは完売。午前3時30分から並んだファンを含め、開場前から約90人が列をつくり、256人が詰めかけた。報道陣も約70人、テレビカメラは8台が並んだ。藤沢は「少しでもカーリングに興味を持って応援してくれるのはうれしい。変なプレーはできない」と引き締めた。もぐもぐだけじゃない。プレーでもファンを魅了していく。【松末守司】