【パリ=吉松忠弘】男子テニスで、世界21位の錦織圭(28=日清食品)が完全復活ののろしを上げた。昨年8月に右手首の腱(けん)を脱臼。約5カ月の実戦離脱から、今年1月下旬に復帰。当初は感覚がつかめなかったプレーだが、4月のマスターズ・モンテカルロ大会で準優勝し、一気に復活に向け前進した。復帰後から今までについて、そして27日開幕の全仏オープン(パリ)に向け、日刊スポーツの独占インタビューに答えた。

◇ ◇ ◇

 -体のことを考えて、少しセーブしたりするとかは

 錦織 いや、もう全力ですよ。基本は全力でやらないと勝てないので。敵が弱いからといって押さえることもできないし。パパッと勝たないといけないし。でも、不安はありますけどね。うまく戦っていかないといけないですけど。

 -サーブのフォームを変えた

 錦織 手首のことを考えて、少し小さくコンパクトにしました。時間はかかりましたけど、だいぶなれてきましたね。

 -サーブの時に、右足を動かさないメリットは

 錦織 足に関しては、何とかのために変えたわけではないんです。フォームを小さくした時に、動かさない方がよかったので。そっちの方がただしっくり来ただけの理由で。手首のために、サーブは改善しましたけど、足は特に関係ないです。そんなに意味はないです。

 -トップ10より、ここら辺の位置の方が気が楽か

 錦織 う~ん、難しいですね。早くトップ10に戻りたい気持ちもあるんですけど、(今の位置だと)チャレンジャーでいられる気持ちは持てるし。ただ、ドローを考えると、楽な方がいいので、早く少しでも上に上がりたいですね。

 -全仏に向けて

 錦織 結構、前向きですね。復帰して、トップ10にも3人ぐらい勝てて。モンテカルロ、マドリード、ローマと、3大会を見ても、プレー自体は悪くないと思うし。昨年のウィンブルドン以来のグランドスラムなので、気持ちも自然と高ぶってくる。楽しみですね。ただ、5セット試合も久しぶり。そういう点では、感覚や体力の面で難しさもあると思います。でも、以前より、試合をするのが楽しみになってきたですね。

 

 ◆WOWOW放送予定 27日(日)~6月10日(日)。全仏オープン連日生中継。第1日は無料放送。