8月のジャカルタ・アジア大会柔道女子63キロ級代表の鍋倉那美(21=三井住友海上)が31日、同い年で男子66キロ級世界王者の阿部一二三(20=日体大)の活躍を喜んだ。

 4試合オール一本勝ちで2連覇を達成した、グランプリ・ザグレブ大会を終えて成田空港に帰国。同大会では、阿部が国際大会で15年7月以来となる3年ぶりの黒星を喫し、話題となった。鍋倉は小学生の頃、同じ兵庫県出身の阿部を何度も投げ飛ばして、勝利を収めていた。柔道界では「阿部一二三に勝った女子選手」として広く知られており、「ありがたい。一二三選手が頑張ってくれて私もそれに乗っかれる。私がもっと頑張れば(柔道界が)面白くなる。今は彼の方が上をいっているけど、私も一緒に世界選手権に出られるような選手になりたい。」と前を向いた。

 幼少期からの知り合いのため、互いに「一二三」「那美ちゃん」と呼び合っていたが、現在は「鍋倉」と呼ばれるという。

 鍋倉は同階級の世界選手権(9月、アゼルバイジャン)代表の田代未来(24=コマツ)を追う。「アジア大会で優勝して田代さんにチャレンジできる。勝つ準備をしっかりして、『東京五輪にチャレンジ』と公言できるようにしたい」と、1カ月後の本番に向けて気合を入れた。