柔道の世界選手権(9月、アゼルバイジャン)とジャカルタ・アジア大会に向けた女子日本代表の強化合宿が6日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで行われた。

 世界選手権57キロ級代表の芳田司(22=コマツ)は乱取りで「野獣」こと12年ロンドン五輪57キロ級金メダルの松本薫(30=ベネシード)に稽古相手を依頼。激しい組み手争いの中、試合さながらの乱取りを行った。芳田は「強い。松本さんは(昨年6月に長女を)出産しても、出産前と変わらない力強さがある。自分自身にも気合が入る」と刺激を受けた様子で振り返った。

 通常、同じ階級の強豪選手同士は、稽古などで手の内を明かさないよう組み合うのを避ける傾向にある。しかし、芳田はこれまで出稽古などで松本から頻繁に相手を依頼され、今回は珍しく芳田からお願いする形となった。

 6月に右足首を痛めて、この日もテーピングを何重にも巻いて稽古に臨んだ。初の世界女王を目指す22歳は、約2カ月後の本番に向けて「技の威力や練習をつめていき、しっかりとピークを持っていきたい」と気を引き締めた。