柔道全国高校選手権(日刊スポーツ新聞社後援)最終日は21日、東京・日本武道館で男女団体戦が行われ、男子は東京・国士舘が決勝で福岡・大牟田を下し、2年連続10度目の優勝を果たした。5人制の勝ち抜き戦で、国士舘は五輪2連覇の故斉藤仁氏の次男、立(たつる、2年)が大将対決を制して優勝を決めた。女子は3人制の点取り戦で、山梨・富士学苑が埼玉栄に2-0で勝利し、初優勝を飾った。

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1-1で迎えた「大将対決」で17歳の大器が躍動した。斉藤は今月上旬に負傷した左手首の痛みも気にせず、果敢に攻め続けた。試合開始2分25秒、鋭い内股で相手を押しつぶして一本勝ち。「アドレナリン全開で絶対に勝つという気持ちしかなかった。畳に上がったら痛みは関係ない」と興奮気味に振り返った。

10日の全日本選手権(4月29日、日本武道館)東京都予選では、最年少で本戦の出場権を得ると、手首の悪化を懸念して準々決勝を棄権。その後の稽古は乱取りすら出来ない状態だったが「団体3冠」の目標を達成するために強行出場した。1カ月後には初の全日本選手権が迫る。「今日の結果を弾みにして優勝を狙うだけ。全身全霊で本番に挑みたい」と決意を示した。