レバンガ北海道が崖っぷちから、来季B1残留を決めた。あとがない第2戦で横浜を91-89で下し、前後半5分ずつ計10分間で行われた第3戦を22ー14の逆転で勝利した。デイビッド・ドブラス(37)、バイロン・ミュレンズ(30)の外国人頼りで逆転負けした前日26日の第1戦から一夜明け、今季故障で苦しんだ桜井良太(36)ら日本人選手も奮起した。レギュラーリーグ22連敗などのどん底からはい上がり、B1の席を守り抜いた。

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折茂が、桜井が、そしてファンが笑顔を取り戻した。今季最終戦となる試合終了のブザーは、来季B1残留を告げる福音だった。敵地の会場に集まった約200人のファンとともに歓喜に浸った。多嶋朝飛主将(30)はチーム全員の気持ちを代弁するように「ほっとしています。最後の最後で2連勝して、ファンも含めた全員で勝ちをつかめた」と喜びをかみしめた。

土壇場で本来のチームの姿を取り戻した。逆転負けした第1戦は、計14得点に終わった日本人選手が敗因の1つだった。あとがない第2戦。内海知秀監督(60)は特別な注文はしなかった。指揮官の「強い気持ちを持つだけ」という思いは選手も共通して持っていた。

今季左足の故障を抱えたまま試合に出続けた桜井が第2戦で今季最多12得点。シーズン平均4・6得点と苦しんだ関野剛平(24)が15得点。2点差の接戦を制し希望をつないだ。第3戦はドブラスが退場した中で、途中出場の野口大介(35)が攻守に貢献した。試合後ベンチで男泣きした桜井は「最後ブザーが鳴って気がゆるんだ。試合で泣いたのは初めてかな」。苦しんだからこそ、喜びもひとしおだった。

B1残留を決めはしたが、今季は通算10勝50敗。Bリーグ記録の22連敗も喫した。選手の誰ひとり、納得のいくシーズンとは考えていない。社長兼任の折茂武彦(48)は「喜びはあるが(シーズンは)わずか10勝しかできなかった。その中で自力で残留を果たした経験は次へのステップにつながる」。苦しさ、屈辱、ふがいなさ。今季経験したすべての感情を、来季B1の舞台で出し尽くす。【浅水友輝】