日刊スポーツ新聞社が運営するスポーツ栄養サイト「アスレシピ」と東京ガスは19日、コラボ企画「体を大きくしたいジュニアのためのスポーツ栄養講座&調理実習」を都内にある東京ガスのスタジオプラスジーギンザで開催した。小中高生の保護者24人に、体を大きくしたいジュニア選手の食生活を学ぶ講義と、その献立を実際に作る調理実習を行った。

講義の講師は、管理栄養士、公認スポーツ栄養士で博士(スポーツ健康科学)の新生暁子氏。さらに、ゲストとしてジャパントップイーストリーグの東京ガスラグビー部FB黒澤健選手(28)が登場した。

新生氏はマラソンの高橋尚子氏や東京ガスラグビー部、大学ラグビー、Jリーグなどの多くのトップアスリートを指導した経験に基づき、ジュニア選手が1日に必要な食事量の摂取方法をデータを示しながら講義した。参加者からは「内容が濃くて知りたいことが分かった」と声が上がった。

黒澤選手は学生時代、体を大きくするのに苦労した経験を持つ。大学卒業時は体重79キロだったが現在は92キロで体脂肪は15パーセント。以前に黒澤選手を指導していた新生氏も驚く肉体改造で、当たり負けしない体を手に入れた。実体験に基づく話に、参加者は大きくうなずきながら聞いていた。

調理実習では、テーマに合わせた新生氏のオリジナルレシピ「フライパンで簡単エビ焼売」と「鶏のささ身ともやしの中華風味噌汁」や、東京ガスおすすめのサラダを参加者全員で作り、試食した。

東京ガスオリジナルレシピである「5種の野菜のさっぱりごま酢サラダ」は、ガスコンロについている魚焼きグリルで野菜を蒸し焼きにした後、ごま酢にあえて作った。東京ガスは、大正2年から100年以上にわたって料理教室を開催し「炎」で作る料理のおいしさと楽しさを広めてきた。東京ガス食情報センターの真坂さんは「魚焼きグリルは肉料理からデザートまで作れる万能調理器具なんです。野菜はグリルで焼くとうまみが濃縮されてとてもおいしくなる上、ビタミンCなどの栄養素も逃すことなく調理できます。魚を焼くだけではもったいないですよ」と話した。

試食時の質疑応答では、参加者から「子どもが骨折でプレーできない期間、親にできることはないか」「試合前には何を食べたらよいか」「体を大きくしたいが速く走れなくならないか」など質問が殺到。新生氏と黒澤選手の2人は丁寧に答えていた。

新生氏は「成長期は個人差があります。黒澤さんのように社会人になって伸びるケースもありますから続けていくことが大切です」。黒澤選手は「両親は共働きでしたが、母は毎日私の栄養を考えながら食事やお弁当を作ってくれました。高校最後のお弁当を作ってもらった時には手紙で感謝の気持ちを伝えました。今回ゲストとしてイベントに参加して、母が頑張って料理してくれていたことを思い出し、あらためて感謝を伝えようと思いました」と話していた。