男子決勝は、明成(宮城1位)が81-64で能代工(秋田1位)を圧倒し、3年連続8度目の優勝を決めた。

ギニア人の父を持つ198センチの大型1年生、山崎一渉(いぶ)が3連続ゴールで発進するなど、3点シュート10本を含む41得点の活躍。NBAウィザーズから日本人史上初のドラフト1巡目指名(全体9位)を受けた同校OB八村塁(21=ゴンザガ大)に続く、「八村2世」と期待される能力の高さを証明した。右足甲の疲労骨折で出遅れていたが、八村が付けていた背番号8を継承。東北Vの衝撃デビューとなった。女子決勝は湯沢翔北(秋田1位)が86-76で明成(宮城1位)を破り、4年ぶり5度目の頂点に立った。

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「イブ!」。U-16日本代表の山崎一に、上級生から信頼のパスが集まった。第2Q(クオーター)にはチーム6連続得点などゴールを量産。第4Qには4本の3点シュートで、一時4点差まで詰め寄った相手を突き放し、高校初タイトルをつかんだ。「結果を出せたことは良かったけれど、気持ちの面ではまだまだ足りない。声をかけてくれる3年生や(佐藤)久夫先生に感謝したい。インサイドが弱くて逃げている。外から決められたことだけは自信になった」。198センチ、87キロの体格でも器用さを兼ね備えることは長所だ。

前日22日の2試合は、緊張などから思い切ったプレーが出来なかった。試合後のミーティングでは佐藤久夫監督(69)からカミナリも落とされた。「すべてを素直に受けて努力してきたから、(八村)塁さんは外でも中でもNBAに認められるトップの世界に入ることが出来たと思う」。千葉・高木小5年時に、全国総体の会場で八村に握手を直談判してから憧れ続けてきた先輩の背中を追う。

同監督も「大きいからこそ、小さい選手がやれるプレーにもチャレンジしていかないといけない。でもね、スターターですから。よくやっていますよ」。ゲームメークやドリブルでのカットインに加え、守備面も課題。将来性を見込んでいるからこそ、総合力の高さを求め続ける。

次は7月27日開幕の全国総体(鹿児島)が力試しの舞台となる。山崎一は「気持ちで負けないようにしたい。3ポイントも勝負どころで決めないといけない」。外国人留学生を擁する全国の強豪との対決も心待ちにする。【鎌田直秀】