【光州(韓国)11日=益田一弘】飛び込みで東京オリンピック(五輪)内定1号を狙う寺内健(38=ミキハウス)に、五輪2大会連続2冠の北島康介氏から激励が届いた。12日開幕の世界選手権で、シンクロ種目は8位以内、個人種目は12位以内で五輪内定。決まれば全競技を通じて最速になる。寺内は13日に坂井丞(26)と組んで、男子シンクロ板飛び込みに登場。北島氏からは「フィギュアでも4回転やるんだから、何か特別なことをしろ!」と型破りなエールが届いた。

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呼吸を合わせて飛んだ。寺内は本番会場で、坂井と同調性を確認した。大会第2日の13日に8位入賞を果たせば、東京五輪1号が内定。「先陣をきりたい」と静かに闘志を燃やした。

馬術の杉谷泰造に並ぶ日本勢最多の6度目の五輪がかかる。大一番を前に親交が深い北島氏がエールを送った。まずは「おれは(五輪に)4回しか出てないから話すことないよ」と言った上で「そこまでできるのはすごいよ。シンクロ種目で銅メダルはいけるんじゃない。そしたら大きいよね」と期待した。

北島氏はリオ五輪で寺内の競技を観戦している。「水泳というくくりで速く泳ぐ以外のことができる。すごいよね。おれ、テラケン(寺内)大好きだもん」。その直後に照れ隠しで「フィギュアでも4回転やるんだから、何か特別なことしろ!」と、6度目の五輪に向けて注文した。

北島氏の“むちゃぶり”について寺内は一瞬、絶句した後で「OKっす。クリエーティブな、子どもみたいな発想ですね。でもわかりました。頑張りますわ」と苦笑い。「(北島氏は)金4個ですからね。ありがたいです。自分がやるべきことをやったら、その結果を喜んでくれる。そういう終わり方ができたらいい」。長くトップを張ってきた38歳が東京でさらに輝くために韓国・光州の空を飛ぶ。