今季好調な神戸大アメフト部が30日、神戸市内の同大で取材に応じ、躍進の理由について語った。昨年は3勝4敗のリーグ5位だったが、今年は最終節を残して4勝2敗。暫定3位という好成績を残している。その秘密は意識改革だった。

チームを率いる主将のWR中谷建司(4年)は「去年は1部に昇格した年。1部で絶対に勝てると思っていなかった。チーム全体としてそれがなかった」と振り返った。

精神面で自信も、勝利へ向かう貪欲さもなかったととらえている。だが、今年のチームは違った。前年3位の関大を下し、王者関学大には敗れはしたものの、2点差まで追い詰めた。

昨年11月、新チームになって取り組んだのが意識改革だった。「4回生を信頼できる4回生にしていく。遅刻をしたり、同じミスを繰り返したりすると、下(下級生)がついてこない」。中谷主将は、ミーティングを重ね、全員が同じ気持ちでアメフトと向き合えるようにしたと説明。「今は各自がチームの力になれるように考えて行動している。頭(頭脳)の面でも、人としても成長した」と語った。

神戸大は16年に1勝6敗で7位。入替戦に敗れ2部への降格を経験した。当時1回生だったQB是沢太朗(4年)は「最悪でした。みんな辞めるんじゃないかと思った」。だが、翌年2部で全勝し1年で再昇格を果たした。「2部に落ちたのはいい経験だった。それまでは、1部にいることが目標になっていた。あそこからはい上がってきた経験が、今に生きていると思う」と語った。

今年から3位以上が甲子園ボウル出場を決定する西日本代表校決定トーナメントに出場できるようになった。3位以上に近づくため、11月10日の最終節京大戦(万博記念競技場)は勝利したいところだ。

中谷は「国立対決。向こうも気合を入れてくる。それ以上の気持ちでやるしかない。こっちも気合入れていく」と気持ちを込めた。【南谷竜則】