【ブリスベン(オーストラリア)8日=吉松忠弘】新コーチは「教授」だ。世界ランキング4位で、開催中のブリスベン国際で東京オリンピック(五輪)の2020年初戦を白星で飾った大坂なおみ(22=日清食品)が、ウィム・フィセッテ新コーチを尊敬を込め「プロフェッサー(教授)」と呼んでいる。7日の初戦後、同コーチも「最高の賛辞。データを扱うしね」とまんざらでもなさそうで、早くも好連携をみせている。

大坂は過去のコーチとの関係も、家族や職業に例えてきた。17年に師事したテーラー氏は「先生」。18年全米、19年全豪優勝を支えたバイン氏は「友人」だった。19年全米までのジェンキンス氏は「兄」。そして、今度は「教授」だ。9日の2回戦に備えた8日の練習では、その教授のアドバイスに真剣に耳を傾けた。

女子ツアーを運営するWTA(女子テニス協会)は、ドイツの大手ソフトウエア会社、SAP社と試合統計やライブスコアの提供で契約している。フィセッテ教授は、そのSAPのアドバイザーだ。手元には山のようなデータが集まり、数字で選手を丸裸にできるのだ。まさに教授。2回戦のケニン戦にも、そのデータが威力を発揮するか。パワーにデータがうまく加われば大坂はさらに進化する。