東京オリンピック(五輪)のシングルス、団体戦代表の丹羽孝希(25=スヴェンソン)が準々決勝で高校生に敗れた。

戸上隼輔(18=野田学園)に0-4(5-11、9-11、8-11、10-12)で敗戦。戸上の強烈なドライブに押し込まれ、常に主導権を奪われた。丹羽は昨年に続き、準々決勝で姿を消した。

丹羽は「2ゲーム目を落とし、気持ち的にも落ち込んだ。強打に対して、カウンターでしっかり返すなどしていれば、また結果は違った」と敗因を分析した。

昨年12月まで、激しい五輪代表争いを繰り広げ、肉体だけでなく精神的にも疲労がたまった。そのため、大みそかから8日まで、9日間、北海道の実家に戻るなど完全休養した。「全日本の後にはすぐにドイツオープンがある。休めるときに休もうと思った」と、五輪イヤーを充実した気持ちで迎えた。

ただ、全日本は5年連続で準決勝に進めていない。「全日本は苦手ですね。多くの国際大会がある中で、その合間に全日本が入ってくる。全日本は回りの選手も思いが強い。僕ももっと強い思いを持たないと最終日には残れない」と語った。

それでも「素直に負けを認め、気持ちは切り替えた」。五輪本番へ向け、日本の団体戦で第2シードを取るために、自身の個人ランキングを上げていきたい考え。日本は現在、中国、ドイツに続いて3位。「チームを2位に上げたい」と語った。

左利きの水谷が団体戦代表に入ったことで、ダブルスで丹羽と水谷の左利きペアを組む可能性が高くなった。丹羽は昨年末「左左のダブルスは無理だと思います」と言い切っていたが、組まざるを得ない状況。この日も報道陣に聞かれ「まだ監督から状況を聞いていないので分からない。言われてから準備をする」と語るにとどめた。

▽丹羽に勝利した戸上隼輔(18=野田学園) 対戦が決まった前日は五輪代表ということで恐怖心が出た。だから丹羽さんが相手だと考えないようにした。卒業後は明大に進学します。