競泳男子平泳ぎの佐藤翔馬(19=東京SC)が11日、都内で練習を公開した。1月の北島康介杯で2分7秒58の好タイムで前世界記録保持者渡辺一平に競り勝って優勝。オリンピック(五輪)イヤーに飛び出した新星は「僕は前半型なので、後半につらくなった時にいい泳ぎで速く泳げるか。日本選手権では2分7秒を切ることが目標です」と力強く宣言した。

父新平さんで4代目という医師の家系。佐藤は幼稚舎から慶大ひと筋で現在は大学1年生。文武両道の道を歩む。子どものころは野球、サッカー、陸上、体操、お絵かき、ピアノなどの習い事に通ったが、選んだのはベビースイミングから親しんだ水泳だった。

小3から五輪2大会連続2冠の北島康介らを輩出した名門・東京スイミングセンターに通った。当時の大会で北島氏らにサインをもらったTシャツが宝物。現在も自宅のリビングに額に入れて飾ってある。佐藤は「(08年)北京五輪が最初に見たオリンピック。北島さんが見ていて格好よかった。あれだけすごい方なのに、優しく接してくれる」と憧れている。

その北島氏と同じ平泳ぎ、同じ東京SCで、レンジェンドの後継者候補とも言える。一気に注目を集める存在になった19歳は「まだ頭が追いついてないです」と戸惑いながら、五輪代表2枠に向けて、さらなる成長を誓った。【益田一弘】