藤沢五月(28=ロコ・ソラーレ)山口剛史(35=SC軽井沢ク)組がハプニングも乗り越え、3連覇へあと2勝とした。決勝トーナメント準々決勝で吉田夕梨花(26)松村雄太(30)組を10-7で下し4強に進出した。藤沢は「コミュニケーションがうまくできている」と、コンビネーションの高まりに自信を強めた。

無観客の会場で、藤沢の声が響いた。「やらかしたー!」。竹田・竹田組との予選。4-4で迎えた第7エンド(E)の4投目。本来1、5投目を担当する藤沢が、誤って投じた。ショット後に気づき無効に。1投分のロスで勝ち越しを許すピンチも、逆境から2点スチールに成功した。結成3年目で初という珍場面。「実戦でミスして失敗した方が記憶に残るので」と山口が言えば、藤沢も「ちゃんと石を数えようって思いました。決勝じゃなくて良かった」と前向き。動じない心の強さが光った。

一瞬の集中力の欠如も、すぐに切り替えられるのは、競技ができる“今”への感謝の気持ちがあるから。「緊急事態宣言」で外出自粛を呼び掛けられている札幌市内で、大会は運営スタッフを減らすなど最小規模で続行している。藤沢は「しっかりした環境でやらせてもらっているのはありがたい」と関係者を思いやる。この日、予選と準々決勝で2つの白星を積み上げ、この大会では18年から無傷の24連勝とした。まだ負けるわけにはいかない。【保坂果那】