フィギュアスケートの世界ジュニア選手権が4日、エストニアのタリンで開幕します。

初出場する全日本ジュニア女王の河辺愛菜(15=関大KFSC)がインタビューに応じ、大舞台へ決意表明。その模様を明日4日の紙面、ウェブサイト「ニッカンスポーツ・コム」で掲載します。本日は一足お先に、取材した記者の「こぼれ話」をお届けします。

 

時に「う~ん…」と考え込み、受け答えはどれも初々しかった。全体的におっとりとした雰囲気の河辺が、少しばかり興奮気味になったのが趣味の話だった。

「『嵐』が好きで、録画をしていた『嵐にしやがれ』を見るのが気分転換ですね。櫻井翔くんが好きで、コンサートも5回ぐらい行ったことがあります」

試合前には16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)で日本テレビ系のテーマソングとなった「Power of the Paradise」を必ず聴く。明るい曲で気分を高めるといい「中学校では『SixTONES(ストーンズ)』が人気です」と教えてくれた。1月にCDデビューした新星の話になるあたりが新鮮だった。

性格は「結構、雑なんです」と自己分析。スケート用語で「フリーレッグ」と呼ぶ、氷に接していない足の使い方にも出てしまう。

「『汚い!』って怒られることが多いです…」

苦笑いで反省する様子は、等身大の15歳だった。

約1時間の取材で気づいたことがある。

ふわふわとした外側の雰囲気。その中にちらっと「芯」が見えた。今季の躍進の一因となったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に関するやりとりで、彼女は言った。

「注目されるのは好きです。人に見られていたら、見られていないよりも跳べる…かな(笑い)。見られていた方が、怖さが結構なくなります。(回転する際に体を)締めやすくなって『跳べるかな』っていうよりも『跳ばないとな』ってなるんです」

2年後には北京五輪が控える。柔らかさの中にある芯の部分は、競技者としての飛躍を支えてくれそうだ。【松本航】

 

◆河辺愛菜(かわべ・まな)2004年(平16)10月31日、名古屋市生まれ。5歳で競技を始める。19年全日本ジュニア選手権で初優勝。フリーで憧れの浅田真央さんが武器とした3回転半に初成功。20年全国中学校大会優勝、ユース五輪4位。好きな食べ物はチーズなど乳製品。153センチ。

 

◆世界ジュニア選手権の各種目開始時間(日本時間)、出場予定の日本代表

〈4日〉

午後7時40分 男子ショートプログラム(鍵山優真、佐藤駿)

〈5日〉

午前2時15分 ペアショートプログラム

午後8時15分 アイスダンス・リズムダンス(吉田唄菜、西山真瑚組)

〈6日〉

午前1時半 ペアフリー

午後5時45分 女子ショートプログラム(河辺、川畑和愛)

〈7日〉

午前1時15分 男子フリー(鍵山、佐藤)

午後6時45分 アイスダンス・フリーダンス(吉田、西山組)

午後10時45分 女子フリー(河辺、川畑)