フィギュアスケートの世界ジュニア選手権は4日、エストニアのタリンで開幕する。 男子の佐藤駿(16=埼玉栄高1年)は、日本人4人目のジュニア2冠を狙う。

昨年の同グランプリ(GP)ファイナルを制覇。フリーで現在最高難度の4回転ルッツを成功させ、ジュニアの世界最高255・11点で頂点に立った。続く世界ジュニアへ「ファイナルよりもいい演技をしたい。勝って、いい形で来季につなげたい」。小塚崇彦、羽生結弦、宇野昌磨に続く2大タイトル専有を、予定するシニア転向の花道にする。

仙台市出身で、羽生と同じリンクでスケーティングを磨いてきた。既に同郷の先輩と同じ4回転4種を跳ぶ。が、加点など質に大きな差があることは分かっている。GPファイナルで羽生の4回転ルッツを動画に収め「まだまだ、あの域には届かない」と痛感した上で「こう跳べばいい、とイメージできた。ジャンプのキレイさ、表現力をまねしたい」と思った。研究熱心な姿勢に、羽生からこう言われたという。「駿君だったら5回転、跳べるよ」。

「いや、無理ですね」と笑うが、1歩ずつ背中を追う。昨年末の全日本選手権では同組で「1つ1つの滑りがキレイで大きい」と理想像は色濃くなった。今大会の優勝で権利を得るスーパースラム(主要大会6冠)挑戦権も「何ですか?」と知らなかった大物が、無心で舞い滑る。【木下淳】

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◆世界ジュニア選手権の各種目開始時間(日本時間)、出場予定の日本代表

〈4日〉

午後7時40分 男子ショートプログラム(鍵山優真、佐藤駿)

〈5日〉

午前2時15分 ペアショートプログラム

午後8時15分 アイスダンス・リズムダンス(吉田唄菜、西山真瑚組)

〈6日〉

午前1時半 ペアフリー

午後5時45分 女子ショートプログラム(河辺、川畑和愛)

〈7日〉

午前1時15分 男子フリー(鍵山、佐藤)

午後6時45分 アイスダンス・フリーダンス(吉田、西山組)

午後10時45分 女子フリー(河辺、川畑)