バスケットボールBリーグB1の川崎ブレイブサンダースは14日、川崎市内でプレスカンファレンスを行い、昨シーズンの収支や今後の活動内容についての報告を行った。

コロナ禍で3分の1の試合が行われず、赤字となったが、1試合平均の入場者数は1・3倍で2年連続で増加率リーグ1位に。チケット売上も1・4倍になり、クラブの売上は約1・5倍となった。登壇した元沢伸夫社長は3年目の今季「黒字は厳しい」としながらも「2年目にして飛躍の年になった。遅くても4年目、5年目には黒字になるめどがついた」と話した。

DeNAは2年前に東芝からクラブ運営を引き継いだが、スポンサー企業の数は、当時残った20社からわずか2年で141社と7倍に増えた。地元企業が多く「川崎からバスケの未来を」と地域密着を掲げる同クラブの活動が根付き、資金面でのサポートにつながった。

「人に投資をした」という元沢社長。グッズ売上やバスケ教室、サッカーJ1「川崎フロンターレ」やタレントとのコラボなどの活動を続け、業績を上げてきた。今季はさらに持続可能な開発目標(SDGs)に取り組むプロジェクト「&ONE(アンドワン)」を発足し、すでにSDGs未来都市に指定されている川崎市と協定書を締結し、自他地帯との連携を強化する。

「&ONE」の具体的な活動として、保育園・幼稚園を始め、市内の人が集まりやすい場所にバスケットゴールを提供したり、グッズショップでの入れ物の袋に障がい者から募集したイラストをデザインするなどを企画。さらにこれまで行ってきたバスケット教室や、イベントも引き続き開催し、参加者1万人を目指すとした。元沢社長は「バスケットの他に何かを成し遂げ、人と人をつなげていく。責任を持ってこのプロジェクトを推進していい報告をしたい」と決意を語った。福田紀彦川崎市長も「SDGsをプロスポーツの世界でやるという話を聞いて本気だなと感じた。まだまだ認知度は低い。老若男女に響かなかったところが、ブレイブサンダースだったら広がるのではないか」と全面的にバックアップしていく。【松熊洋介】