ラグビーのトップリーグ(TL)神戸製鋼に加入した元ニュージーランド(NZ)代表FBベン・スミス(34)、SOアーロン・クルーデン(31)が、早くも地域の「ヒーロー」になった。

4日は午後から神戸市内で行われた記者会見に出席。だが、2人合わせてNZ代表134キャップを持つコンビは、午前8時から「横断中」の黄色い旗を持ち、一仕事を終えていた。

2人がチームメートと足を運んだのは、神戸製鋼所神戸本社近くの交差点。そこにはフィギュアスケート女子で18年平昌五輪6位の坂本花織(20=シスメックス)が卒業したことでも知られる市立なぎさ小があり、登校する児童の「見守り隊」を担った。

神戸製鋼では神奈川・川崎市でスクールバスを待っていた児童20人が殺傷された事件をきっかけに、19年6月から週1回のペースで児童の見守りを始めた。選手、スタッフが順番に担当しており、早速この日はスミスとクルーデンが参加した。

記者会見では冒頭にスミスが「神戸の優勝に貢献できるよう頑張ります」。クルーデンも「神戸のやり方を学び、すぐにでもプレーしたいです」などと、準備していた日本語であいさつした。10月下旬のチーム合流初日からハロウィーンの仮装で仲間にとけ込むなど、積極的な姿勢を見せている。21年1月開幕のTLでは2連覇を目指し、チーム文化の継承、発展にも寄与していく。【松本航】