グランドホッケーのU-15ジュニアユース・オールスター戦が12月5、6日、東京・大井ホッケー競技場で行われる。巻東中から鈴木榎七(3年)が新潟県から唯一、30人の代表入りを果たした。意表を突いたパスを武器に大会に挑む。

鈴木は10月25日、恩師に最高のプレゼントを贈った。オールスター戦女子選考結果発表のこの日は、1年から指導を受けている加藤和義(49)コーチの誕生日だった。巻東中ホッケー部を14年間指導してきた加藤コーチは、今年いっぱいでコーチを退任。「代表が決まり、すっごくうれしかった。今年の巻東中は強かったと鈴木が証明してくれた」と加藤コーチは喜んだ。

キャプテンを務めていた鈴木は、加藤コーチも認める頭脳派。周囲を見る力が特にたけており、全体のバランスを見て、ピンチやチャンスを察知する能力を兼ね備えている。自身のプレーについても毎回加藤コーチに確認に行き、常に改善、実行をする真面目で向上心のある性格。自らメニューを考案したり、練習内容をノートにしっかりまとめチーム状況を的確に伝えるなど、加藤コーチと二人三脚でチームをけん引してきた。「コーチがいなかったら今の自分はいない。感謝している」と鈴木。

オールスター戦に向けて「持ち味であるスピードを一気に変えたり、ダイレクトにパスを出すなど、相手の意表の突くプレーで中学最後の試合をやり切る」と日本代表の重圧を背負いながらも戦う熱意にあふれていた。【飯嶋聡美】

◆鈴木榎七(すずき・かな)2005年(平17)7月30日生まれ、巻南小出身。中学からホッケーを始める。仲の良い先輩にひきつけられ、体験入部でいいプレーができ達成感を感じたことを機に入部。1年冬からスタメン入り。3年生でキャプテンを務める。ポジション・MF。相手の意表を突くパスが持ち味。160センチ、54キロ。