この春から高校3年生の17歳、谷川亜華葉(あげは=イトマン)が初の五輪代表に内定した。4分37秒90で2位。五輪派遣標準記録の4分38秒53も突破し、4分35秒14で優勝した大橋悠依(25=イトマン東進)とともに夢舞台の切符をつかんだ。

背泳ぎの後半で清水を抜き2位に浮上。平泳ぎでは再び清水に抜かれて3位に後退したが、粘って食らいつく。自由形に入った時には体1つ分の差で離されていたが、徐々に差を詰めてラスト5メートルで大逆転した。

レース後は「実感がわかなくて…まだちょっと受け入れられてない感じがします」と初々しい笑顔を見せた。猛烈な追い上げには「もう、めちゃキツくて。でも、自分がやってきたことを信じようと思ったし、応援してくれている人がすごくいて、連絡もたくさんもらっていたので、裏切るわけにはいかないと振り絞りました」と振り返った。

東京五輪に向けては「水泳を始めたころからの夢だったので、それを実現することができて、すごくうれしかったです」と喜んだ。

レースの前は「自信が5割ぐらい」だったというが「担当コーチと考えたレースプラン通りに泳いでいたけど、ブレストの時、プランを自分のレースにしようと思った。ラストの自由形で意外に上がったので、これはもう差すしかないと。出し尽くしました」と語った。

4歳の時に両親の影響で水泳を始め「ここまでは悩む時期が9割。伸び悩んだし、つらいイメージしかなかった」。東京五輪も「ほぼ諦めてました。次のパリ五輪に切り替えつつ、行けたらいいな、くらいの気持ち」という状況だった。

しかし「後悔なく」泳ぎ抜いて2位。「まさか。取り切れることができて自分でもビックリしています。切り替えることができて良かったし、強い気持ちでコース台に立てた印象がある」と前向きに臨んだ試合で初の五輪代表の座を射止めた。