1部下位BIG8の慶大が、上位TOP8復帰目指して白星発進した。

緊急事態宣言で中止から緩和され、関東連盟主催での再開第1戦。明大に逆転のTDパスを許して、10-14とリードされての折り返し。後半早々にTDパスを決めて逆転すると、第4Qにも5点を追加。守備は後半は得点を許さず、22-14で今季初戦を飾った。

エースRB大河原の活躍が光った。最初の攻撃でドライブすると5ヤードの先制TDラン。後半も最初の攻撃で大河原が43ヤードランで、2プレー後に17ヤードのTDパスをお膳立てした。第4Qにはパンターとしても明大をゴール前に押し込む。守備陣のロスタックルによるセーフティーで2点追加に結び付いた。

慶応高から2年まではQBだった。昨年RBに転向すると、リーグ1位のランをマークした。NFLを目指している先輩RB李をほうふつさせ、最終年にかける意気込みを初戦で発揮した。前田監督は「エースの働きをしてくれている」と話した。

19年に不祥事で昨年はBIG8に降格となった。リーグ戦は4戦全勝を飾ったが、コロナ禍の変則リーグで昇降格が見送りとなった。2年越しで昇格を目指すシーズンとなる。

TOP8との対戦は2年ぶりだった。前田監督は「この春はTOP8を体験すること、対抗する力をつけることが第一。受けに回ると一発を許してしまう。攻撃もBIGではゲインできても、TOPではなかなかできない」と話す。

先制直後に95ヤードのキックオフリターンTDで追いつかれ、第2Qもパントでのビッグリターンから逆転TDパスを決められた。QBは4人を起用も「まだまだ誰とも決められない」。2ターンオーバーや無駄な反則もあった。上位相手に白星発進もまだ初戦。リーグの実力差からもさらなる成長を望んでいた。

明大は看板のランが封じられ、キッキング以外ではあまりいいところがなかった。下位リーグ相手の黒星発進となったが、岩崎監督は「まず試合ができたことがよかった。一つずつ経験して積み上げていくだけ」と話した。

他部の合宿所で集団感染が発生し、ゴールデンウイークも練習を自粛する期間があった。「どのチームも同じだと思うが、今年も手探り。無事にいつものリーグ戦が開催できれば」と願っていた。