ワイルドカード1位の仙台89ERSは、56-73で茨城ロボッツに今季最少得点で敗れ、5季ぶりのB1復帰に向け、後がなくなった。敵地でスタートダッシュに失敗。第1クオーター(Q)だけで大量19点を引き離され、後半の追い上げも及ばず、逃げ切られた。

第1Qがすべてだった。リードしたのは先制点だけ。ゴール下のパスやシュートミスを連発。内外のシュートがリングに嫌われ続ける中、第2Q中盤まで3点シュート4本を許し、最大25点差をつけられた。今季1試合平均88・8点の相手攻撃を73点に抑えたが、逆に堅守のお株を奪われ、今季最少得点に抑え込まれた。12のターンオーバーを献上、6スチールを決められた。桶谷大ヘッドコーチ(HC)は「B1昇格を決める試合で硬さがあった。シュートを取捨選択し過ぎてターンオーバーになって走られた」と敗因を口にした。

敗れはしたが、前半の19-40に対し、後半は37-33で締めた。準々決勝の西宮戦は無観客だったが、この日は約200人のブースターも敵地に駆け付けて応援。第3Qに3点シュート2本を決めて反撃の火付け役になったガード渡辺翔太は「まず1戦勝ち切り、あさっても勝ってともに喜びを味わいたい」と意欲を見せた。桶谷HCは「明日勝てば、ホームの相手に逆にプレッシャーをかけられる。いいシュートで終わり続ければ勝機も見えてくる」と今日16日の第2戦を制して3戦勝負に持ち込む構えだ。【佐々木雄高】