仙台89ERSのB1昇格への挑戦が終わった。最後まであきらめない粘りを発揮。終盤まで競り合ったが、78-81の3点差で茨城ロボッツに連敗し、B1復帰の可能性が消えた。

最終Q(クオーター)残り1分、寒竹隼人の3点シュートで78-78の同点。しかし、その直後に2点シュートとフリースロー1本を許し、逃げ切られた。試合終了のブザーを聞いた選手は肩を落とし、悔しさをかみしめた。桶谷大HC(ヘッドコーチ)は「期待していたファンや関係者に申し訳ない気持ちでいっぱいですが頑張ってくれた選手とスタッフを誇りに思う」とねぎらった。

最後までチームスタイルを貫いた。序盤から気合むき出しの対人防御を仕掛け、計10本の3点シュートにもひるまず、互角の戦いを演じた。桶谷HCは「どちらが勝ってもおかしくない展開に持っていった。人事を尽くして天命を待つ。やり切ったと思いながら采配できた」と選手のハードワークをたたえた。

東日本大震災10年の節目に、目標にしていたB1復帰はかなわなかった。だが、地域に根ざした活動を続け、確かなチーム・カルチャーを築いた。3点シュート4本を含む計18点の渡辺翔太は「桶谷バスケで成長できた。もっと勝たせられる選手になりたい」と若き司令塔の自覚を高めた。

チームは21日から越谷との3位決定戦に臨む。月野雅人主将は「残り2試合。やってきたことに自信と誇りを持って今シーズンを締めくくりたい」と敵地に乗り込む。【佐々木雄高】