18年平昌オリンピック(五輪)、21年世界選手権ともに6位の坂本花織(21=シスメックス)は71・16点をマークし、4位で発進した。

ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)と3回転ルッツを問題なく決めたが、最後の2回転フリップ-3回転トーループの2連続が、フリップが3回転から2回転になった。「フリップがダブルになってしまったのが痛いミス。しっかり跳ぼうと思いすぎてしまう。でも、次にトーループをしっかり付けられたのは良かったかなと思います」と振り返った。

点数については「70は切ると思っていたので、70点台で踏みとどまれたのは、気持ちを落とすことなくフリーへ臨める。明日は頑張りたい」と前向きにとらえた。

その70点台を下支えしたのが演技構成点。スケート技術が8・89で全選手トップの評価を受けた。首位発進のアレクサンドラ・トルソワ(ロシア)らを上回っており、フランス人の振付師ブノワ・リショー氏への感謝を口にした。

「今日はフリップでミスしても70を切らずに済んだのは下の点数(演技構成点)が稼げたおかげ。すごくうれしい。シニアに上がってから5年間、ブノワ先生に振り付けをしてもらい、こうして下の点が伸びているのは自分にとって支えになっています。力強いスケーティングが自分の持ち味だと思っているので、そこはしっかり今後も伸ばしていきたい。この前、ブラッシュアップでブノワ先生に見てもらった時、2年前にイタリア合宿でスケーティングをやり込んだのを見てもらったこともあって『2年間、何してきたんだ』『へたくそになってる』と、すごく怒られました…。まだまだスケーティングもやるべきことがたくさんある」と気を引き締め直すきっかけとなったエピソードも紹介した。

自慢の滑りを武器に、逆転表彰台へ24日(日本時間25日)のフリーへ向かう。【木下淳】