東京オリンピック(五輪)日本代表の佐藤希望(35=大垣共立銀行)が若手の挑戦を退け、2年連続7度目の優勝に輝いた。19年大会優勝の原田紗希(21=慶大)に15-8と大差を付けた。

アクシデントを物ともせず、貫禄勝ちを収めた。序盤は屋外会場ならではの日差しに視界を遮られ、「マスクの中が真っ白で全く見えなかった」。試合を中断して対応に当たってもらった後、「経験が鍵になりました」と第2セットから巻き返した。ベテランならではの試合運びを展開して6連続得点を挙げるなど、勢いある若手に流れを与えなかった。

実はアクシデントは試合前にもあった。「(長男の)匠の作ってくれたお守りを付けていたんですが、どこかにいってしまって…」と明かし、「誰か持っていてくれるとうれしいです」と観客に呼びかけた。

集大成と位置付けていた自国開催の五輪は無観客。家族はオンラインで応援した。今回は長男の匠君(8)や次男の旬君(4)が家族席から見守った。試合後には次男に「ママ、かっこよかった!」と言われると、誇らしそうに笑った。佐藤は「次男の前で優勝したのは初めてなのでうれしいです」と話した。【平山連】