フレッシュな女王の誕生だ。20歳の川村茉那(フジキン)が、88年沢松奈生子以来33年ぶりの初出場初優勝を飾った。

同じく初優勝に挑んだ光崎楓奈(20=h2エリートTA)を6-1、3-6、6-4のフルセットで下した。女子決勝を争った2人の年齢合計40歳7カ月は、この10年の女子決勝で最も若い顔合わせとなった。

相手の光崎とは、同世代で、ジュニア時代からともに遠征に行く間柄だ。大会前も「2人で決勝を戦おう」と話しており、ペアを組んだ女子ダブルスでも決勝に進んだ。親友同士の戦いで、最終セットの接戦を川村は「勝ちきることができて、とてもうれしい」と喜んだ。

20歳という若さでも、最後まで冷静だった。国内大会としては最高峰に位置し、多くの選手は「全日本は特別」と話す。それでも川村は「(世界に向けての)ひとつの通過点。根拠のある練習をしてきたので、特に緊張しなかった」と、初出場で33年ぶりの快挙にも、大物ぶりを発揮していた。