ホンダ勢はレッドブル・ホンダが2位・4位、アルファタウリ・ホンダが7位・15位と予選よりも順位を下げる結果となった。

レッドブル・ホンダ勢はメルセデスAMGの圧倒的な速さの前に歯が立たなかったとホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは振り返った。

「レーススタート時点はレッドブルの2台は良くて1-2体制で走ることができたんですが、レース中盤以降はスプリント予選と同じようにハミルトン選手がとにかく速く、レッドブル・ホンダとしては最大限の力を発揮することはできたものの力負けしたかなと思います。ペレス選手はボッタス選手がVSCのタイミングでピットインするという不運もありましたが、総じていうとメルセデスAMGとハミルトン選手が速かったということになります」

新品のICE(内燃機関エンジン)を投入したルイス・ハミルトンは、その恩恵もあっただろうとレッドブルは見ている。

「メルセデスAMGのトト・ウォルフ代表が話しているように彼らのICEは性能劣化が大きく新品投入によってそれが回復しているということであれば、メルセデスAMGの元々ストレートが速いという素性に加えて新品ICEの相乗効果であの速さになったのかなと思います」(田辺テクニカルディレクター)

一方、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は20台の中で唯一ソフトタイヤを選択してスタートダッシュに賭けたが、4周目にランス・ストロール(アストンマーティン)のインに飛び込んだところで接触して10秒加算ペナルティを科されてしまった。その際に負ったダメージでマシン挙動が不安定になり、角田は浮上のきっかけ無く15位、ストロールは後にリタイアしている。

自分の追い抜きはややリスクを伴うものではあったものの、ストロールが後方確認を怠っていなければ事故は避けられたはずだと角田は主張している。

「ランス(・ストロール)との接触で全てが駄目になってしまいました。彼は明らかに全くミラーを見ていませんでしたし、通常のラインでターン1に入ってきたんです。リスキーなオーバーテークであったことは確かです。でも僕はロックアップなど何も問題はありませんでした。5秒だったとしても厳しいと思いますし、10秒だなんてバカげていると思います」

スチュワード(競技会審査委員会)は角田のブレーキングが遅く楽観的に仕掛けた結果起きた事故であると判断し、やや厳しめの10秒加算ペナルティーを科している。(米家峰起通信員)