1つ下のカテゴリーとなるノービスの全日本女王、13歳の島田麻央(木下アカデミー)が“飛び級”で初優勝の快挙を飾った。シニアを含めて日本女子で唯一跳べる4回転トーループを成功させ、フリー1位の126・75点を記録。合計188・51点でショートプログラム(SP)4位から逆転した。ノービス年代の優勝は94年の荒川静香(当時中1)以来、27年ぶり。男子はSP7位の三浦佳生(東京・目黒日大高)が大逆転で初優勝を果たした。

  ◇   ◇   ◇

島田は自己ベストの得点を見て、表情を少しだけ緩めた。2年連続日本一となったノービスA(6月30日時点で満11~12歳)より30秒長く、ジャンプが1つ増えるフリー。冒頭で4回転トーループを成功させると、7つ全てで加点を得た。同じ中1でジュニア日本一となった06年トリノ五輪金メダルの荒川静香以来、27年ぶりの快挙を「すごい選手の次に優勝できて、すごくうれしい。今日はうれしかったので、あんまり『疲れた~』とは思わなかったです」と初々しく喜んだ。

「麻央」の名は母の歩さんが浅田真央さんに憧れ、命名した。5歳でスケートと出会い、その頃に行われた14年ソチ五輪のリアルタイムでの記憶はない。それでも偶然練習で一緒になった浅田さんのサインを大切に保管する。来季はジュニアとなり「4回転2本に挑戦したいです」。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指す13歳の勢いが止まらない。【松本航】

◆島田麻央 しまだ・まお。2008年(平20)10月30日、東京都生まれ。19年のノービスB(6月30日時点で満9~10歳)から全日本ノービス選手権3連覇。現在は京都・宇治市が拠点。趣味はダンス、料理。昨季も全日本ジュニア選手権3位となり、ノービス年代で00年安藤美姫以来、20年ぶりの表彰台。143センチ。