ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が今季8勝目を挙げた。

ポールポジションのハミルトンはレース序盤をリードしたものの、ミック・シューマッハ(ハース)のクラッシュが出てセーフティーカー導入でピットインしてタイヤ交換義務を消化。しかし直後に赤旗が提示され、タイヤ交換をしなかったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がトップに立った。

再スタート直後のターン1でフェルスタッペンとハミルトンが交錯し、直後の赤旗による再スタート時に順位を交換。それでも再スタート時にフェルスタッペンがインに飛び込んで前に出るが、ハミルトンはここからフェルスタッペンを猛追。37周目のターン1で並びかけるが両者は再び交錯してフェルスタッペンがコースをカット。

これに対してフェルスタッペンはハミルトンにポジションを戻そうとするが接触。結果的にフェルスタッペンはポジションを戻さなかったため5秒加算ペナルティーが科され、さらにこの譲る際の接触についてはレース後に審議が行われることとなった。

ハミルトンはフロントウイングにダメージを負いながらも43周目にフェルスタッペンを抜いて首位に浮上し、ファステストラップも記録して勝利をつかみとった。

「僕は信じられないくらいタフにレースをしている。でもそれと同時に分別をわきまえてレースをしてもいる。クリーンに走り、コース上にとどまり続けることが大切だからだ」

フェルスタッペンはリアタイヤの性能低下が進み、2位でフィニッシュするのが精いっぱいだった。

「いろんなことが起きたレースだしペナルティーには完全に合意できないけど仕方がない。最後はタイヤがタレてしまったけど、それでも2位だ。まだ何かが決まったわけではないし、次のアブダビGPでは良いレースになることを願っているよ」

角田裕毅はスタートで行き場をなくして8位から13位に後退。セバスチャン・フェッテル(アストンマーティン)との接触でフロントウイングを壊してピットインを余儀なくされ、さらに5秒加算ペナルティーも科されて14位でレースを終えた。

(米家峰起通信員)