冬季オリンピック(五輪)連覇の羽生結弦(27=ANA)が、今季ショートプログラム(SP)曲「序奏とロンド・カプリチオーソ」を初披露した。

序盤は穏やかなピアノの調べに合わせ、まず4回転サルコーを跳ぶ。続けて2連続ジャンプの流れとみられる中で、その1本目が2回転トーループになった。ブレードの氷をぬぐい、手袋を外してミスが出た場所の氷を触った。

その後は力強くなるピアノの旋律に乗ってダイナミックにステップを踏む。最後はトリプルアクセル(3回転半)。着氷が乱れたものの、2分40秒を一通り確認した。

その後、あらためてジャンプ構成を確認。4回転サルコー、4回転-3回転の2連続トーループ、カウンターからの3回転半という流れを3セット連続で試みて、すべて成功させて調整を終えた。

衣装の披露は本番までお預けとなった。

選曲の理由については前日に「かなり悩んで。羽生結弦っぽい表現、羽生結弦にしかできない表現」ができて、気持ちが踊る曲を探したと説明。その中で「昔からやりたいなと思っていた『序奏とロンド・カプリチオーソ』が出てきた」と言い、ピアニスト清塚信也に依頼し、バイオリン曲、ピアノの既存曲ではないオリジナル版を制作してもらったと明らかにしていた。

「僕が先シーズン、すごい心が折れて、つらかった時期に(『春よ、来い』を)滑らせていただいて、ホントに生きる活力と滑る活力をいただいた清塚(信也)さんのピアノにしたら、もっと気持ち良く滑れるのでは、もっと気持ちを込めて滑ることができるんじゃないか、と思ったので清塚さんに編曲を頼みました」とも感謝していた。

新SP曲の試合初披露は午後7時42分ごろ開始予定となっている。【木下淳】